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烏丸side
昼飯も問題なく食べ、今は3年C組の前、影浦先輩の教室の前にいる。
ここに来てからかれこれ5分経った。
こいつのSEがなくても、上級生からの視線が痛い。
烏丸「入らないのか?」
「まって、こころの、じゅんびが…」
「あれぇ?とりまるくん?3年のフロアでど〜したの〜?」
そろそろ俺が扉を開けるか、と思いだしてきたとき、間延びした口調のソプラノの声が聞こえた。
俺がもといた隊、太刀川隊のオペレーターの国近柚宇さんだった。
国近「あ〜、その女の子、今日転入してきた子でしょ〜?可愛い〜♡あ、私は国近柚宇。よろしくね〜。」
「えっ、と、よろしくお願い、します。」
国近先輩は、大丈夫なのか。
彼女は国近先輩の挨拶に対して少しの硬さを見せたが、「緊張」の範疇で挨拶を遂げた。何が違うんだ?相手の気持ち次第なのか?
国近「で、こんなところで何してたの?」
烏丸「あ、実は影浦先輩とこいつを合わせたくて。」
国近「影浦くん?
ああ〜、入りにくかったってこと?呼んであげるよ〜」
そう言ってためらいなくガラッと扉を開け、大きな声で「影浦く〜ん!」と影浦先輩を呼ぶ。
そんな国近先輩とは打って変わって、「そんな、待ってください、心の準備が…」と青ざめる彼女。
そんなに緊張するもんなのか?
「ピャッ」
烏丸「?どうした、大丈夫か?」
変な声を上げてそのまま固まってしまった彼女に声をかける。
が、動かない。
「っ…、」
烏丸「おい、大丈…」
国近「はーい、じゃん、影浦雅人君です!」
その直後、お目当ての影浦先輩が目の前に現れた。ただ、彼女はまだ固まったままで。
影浦「おい、てめぇ。」
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作者名:四希 | 作成日時:2022年1月5日 23時