第九話 ページ11
『え・・・？』
疑問を口に出すより先に、私の体は強く抱きすくめられた。
？「会いたかった！俺のこと、覚えてる？覚えてるよね。俺たち結婚の約束もした仲なんだし。」
は・・・？
ケッコン？
ま、待ってよ。だって私＿＿＿＿
『あなた、誰？』
こんな人知らない。
呆然とする私に、彼はバッと顔を上げるとすごく傷付いたような顔をした。
？「・・・覚えてないの？」
この人には悪いけど、全く覚えがない。
そもそもいきなり部屋に入って来て人を組み敷くような人とは関わりたくない。
『誰か知りませんが、勝手に新撰組屯所に入って来てどういうつもりですか。とりあえず土方さんに引き渡すんでおとなしくして下さい。』
その人は一瞬きょとんとしてから、ぷっと吹き出した。
？「あははは！その気が強いところ、昔から変わってないね。そもそもこんな状態でどうやって俺のこと引き渡すの？」
余裕そうな態度に腹が立つ。
さっきから掴まれてる手を振りほどこうとしているのに、ぴくりとも動かない。
流石に危機感を覚えた私の額からつうと冷や汗が流れた。
？「はぁ・・・でも本当に覚えてないんだね。あ・・・そうか、確か君には婆様が・・・」
何かぶつぶつとつぶやき始めた奴をキッと睨みつける。
何考えてるのか知らないけど、この私の襲うなんていい度胸じゃないか。
すぐにでも張り倒してやる。
？「ああ、そうだ。思い出した！今君の記憶は封印されてるんだ。婆様の術でね。」
封印？婆様？なんの話だ。
？「すぐに思い出させてあげるからね・・・？」
『！？』
瞬間、奴の纏っていた空気が変わった。
鋭く得物を猟るような眼。
ぞくりと悪寒を覚えた時にはもう遅かった。
何かを呟いた奴の唇は私のそれと重なり＿＿＿＿＿
『っ＿＿＿！！？』
知らない奴に口づけをされたことの衝撃よりも、私の頭はもう一つのことでいっぱいになった。
＿＿なに、これ
頭の中で早回しのように記憶が巡って行く。
忘れてた、けど確かにあった日の記憶。
そして今目の前にいる彼も・・・
解放された唇の間から、絞り出すようにその名を呼ぶ。
『あ・・・彩、斗？』
柊彩斗。
私が姫巫女として生きるための修行をしに出た家の＿＿＿＿
許嫁の名前だ。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 私は…いつも応援してますよ〜。 (2014年12月15日 21時) (携帯から) (
レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
蒼奈(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 長らく放置ほんっとすいません。毎回言ってますね、これw反省していない訳ではないんですよ......?一応 (2014年12月15日 21時) (レス) id: 4dfc83dfd8 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 名前変えたんですね。素晴らしい作品です。続き楽しみです。 (2014年12月15日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
蒼奈(プロフ) - 牙突さん» お気遣いありがとうございます。頑張ります！ (2014年9月7日 9時) (レス) id: 898b29761e (このIDを非表示/違反報告)
牙突(プロフ) - 蒼奈さん» 亀更新でも気長に待ちますので無理の無いペースで頑張ってくださいね＾＾応援してます！斎藤さんも彩斗君もかっこいいです！ (2014年9月5日 15時) (レス) id: cf81800781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼奈 | 作成日時：2014年5月11日 16時
