【薄桜鬼】姫巫女の憂鬱【斎藤一】

回想 ページ1

鬼の祖先である時雨と焔陽を討ったあの日、私は姫巫女としての力を失った。


それは時雨をこの身に宿すことであったり、彼女の刀を使えることだったり。


しかし彼女亡き今それはどれも叶わぬものだ。


新撰組の幹部として身を置いていた私は、斎藤さんのおかげでまだここに留まれることとなった。


新撰組に来てから色々なことがあって、私も初めて恋を知って。


今はこの三番組組長の斎藤一さんと、正式に恋人という関係を持っている。


ここに来てすぐ私が女だということを見破り、陰ながら私を助けてくれていた人。


今私がここに留まれるのだって、斎藤さんのおかげなんだ。


呪われた運命を覆して＿＿＿


愛も希望も充分すぎるくらいにあって＿＿＿


これから私たちは普通に、それなりに幸せに、過ごして行けるのだと思っていた。


もちろん穏やかな日々も最初は確かに存在した。


けれど私は、


その力を失ったって、







"姫巫女"だった＿＿＿＿＿＿

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