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43.空気を読もうかお嬢さん ページ47

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ふわりふわりと髪が靡く。


吐き出した紫煙が静かに風に溶けた。



「今夜はなんだか…血が熱いなぁ…」



ポツリと呟かれた声に、視線を向ける。


まだ幼さが残るものの、妖怪の姿のリクオ。


…昔のジジイにそっくりだな…



「リクオ様、言ったでしょう。それが妖怪の血です。」


「血…?」


「おじいさまの血です。」


「リクオ様は…ワシらを率いていいんです。
あなたは…総大将(ぬらりひょん)の血を四分の一も継いでいるのですから!!」



誇らしげに言う青の言葉を聞いて、リクオは何故か私を見上げる。


私とは対照的な、真っ赤な瞳が真っ直ぐに向けられて、不思議な気分になる。


煙管を咥えたまま、なんとなく頭を撫でれば小さく笑みを浮かべた。



「今夜はお前の初陣だ。楽しめよ、リクオ」


「…あぁ。」



いつもより少し大人びた表情。


”お姉ちゃん”じゃなくて”姉貴”と言う呼び方。


これはこれで良いかもな…なんて。


リクオだったらなんでも嬉しいけど。


吸い込んだ煙を、深く細く吐き出す。



「…フゥーーーッ」



暫くして、問題の場所が見えてきた。


崩れたトンネルはテレビで見るよりも、ずっと酷かった。


一度大きく吸って深く吐き、煙管を懐にしまう。


控えていた青が、飛び降りて岩を粉砕した。


流石バカ力。



「おほ…見つけましたぜ、若ァ、嬢。
生きてるみたいですぜーー!」


「そうか。そりゃ良かった。」


「……ガゴゼ…、貴様…なぜそこにいる?」


「…本家のやつらめ…」



小さく落ちた言葉は、しっかりと私の耳に届いた。


子供達を襲っている屍妖怪といい。


まさかとは思ったけど、本当に謀反を起こすとはな。


私がいるから、リクオを殺れるわけないのにねぇ。


それでも実行したのが運の尽きだな。


リクオは結構ご立腹だぜ。



「よかった…無事で。
カナちゃん、怖いから目つぶってな。」


「…誰…?」



トンッとリクオの隣に降り立つ。


キョトンとした顔も可愛いね、カナちゃん。


ニヤケそうになる顔を必死で留める。


こんな時に笑ってたら、後で達磨に何言われるか。


朝まで説教コース確定だね。



「…姉貴、しっかり頼むぜ」


「わかってるよ、三代目。
私だって時と場所は選ぶさ」


「…ならいいけど。」



リクオに心配そうな目で見られた。


ちょっと悲しい。


後ろからボソリと”流石、鯉千様”とか聞こえた。


…泣いていいですか。









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楸ヒナタ(プロフ) - 李桜さん» 面白いなんて…!ありがとうございます!嬉しい限りです!!これからもよろしくお願いします! (2016年2月1日 17時) (レス) id: 5a9f26663b (このIDを非表示/違反報告)
李桜 - 小説面白いッス!私も文才あったらなァ〜 (2016年2月1日 0時) (レス) id: 888568db42 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - ゆーなさん» ミツカッタ…。行動が早いっすね。 (2015年9月14日 21時) (レス) id: 5a9f26663b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな - ミツケタ...... 。 これかな?これだよね? (2015年9月14日 21時) (レス) id: be54fb8e5e (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 飛鳥さん» うわぁ!そんな事言ってもらえるなんて…凄い嬉しいです!!コメント、ありがとうございます!! (2015年8月14日 22時) (レス) id: 5a9f26663b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楸 ヒナタ | 作成日時:2015年6月14日 17時

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