【REBORN】雪の灯火part2 (ページ33)

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69話ページ33

(side ディーノ)

まさかAの口から旧友の名が出てくるとは思わなかった

しかも刃を交えるとは

あの暗殺集団と関わりがあるのは少々気がかりだが、何もされていないようだからよかった

(それにしても不思議なやつだな)

9代目から聞いていたAに関しての情報

優しく穏やかで、1度経験したことをすべて記憶する力を持っており、運動神経もピカイチ
纏う雰囲気はどこか浮世離れしているようでもあり
けれど彼女はそこにいる

今だって笑顔で話す姿は普通の少女のようでもあり、大人びているようでもあり＿

そんな彼女を、いや、そんな彼女だからこそ愛らしいとも思う

「なんか、妹でもできた気分だな」

『え？』

どうやら声に出ていたらしくAがキョトンとした顔をする

「あーいや、Aが妹みたいに思えてきてよ」

誤魔化すようにAの頭を撫でると、目の前の少女は瞳を輝かせた

『そんな風に思って頂けるなんてとっても嬉しいです！私一人っ子だったので兄妹とか、憧れなんです』

はにかみながら笑うのがもう可愛くて仕方ない

(もう兄にでもなんでもなってやるよ…！)

顔が緩むのをなんとか耐え、Aにニカッと笑いかける

「俺のこと、本当の兄貴みたいに思ってくれよ！なんなら呼び方もそんな感じにしてくれ」

『あっ、えっと、それでは、ディーノお兄さまとお呼びしても…？』

「ああ！もちろんだぜ！」

Aの頭をワシャワシャと撫で回す

いろんなやつらがAのこと気に入るのがわかった気がする

頭一つ分ほど下で慌てているAを温かい目で見つめながら思った

「ボス、そろそろ時間だぜ」

「お、おお！そうだな」

少し離れたところにいたロマーリオに声をかけられる

すっかりロマーリオがいることを忘れていた
今更ながらの羞恥に襲われながらAの頭から手をそっと離した

「そろそろ帰んねーと、また近いうちに来るからな」

『はい！お待ちしておりますね、ディーノお兄さま』

Aに歯を見せて笑うと彼女も目を細めて笑った

(さて、Aをジャッポーネに連れて行く準備をしねーと)

彼女に気づかれないように顔を引き締めた