【REBORN】雪の灯火part2 (ページ32)

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68話ページ32

(side A)

ティータイムの時間になったので、おじいさまの執務室を訪れた

控えめに戸を叩く

『おじいさま、Aです。お茶をお持ちいたしました』

「入っておくれ」

扉を開けるとおじいさまとディーノさんが対面するように座っており、私とトレイの上のお茶とお菓子を見て顔を綻ばせた

「そろそろ来る頃だと思っていたよ。さあこちらへおいで」

『はい』

私はおじいさまとディーノさんの間の椅子に腰掛けた

『アフタヌーンティーセットお持ち致しました。料理長の方が作ってくださったのでとても美味しいですよ』

「ありがとう、頂くよ」

ディーノさんはサンドイッチを口に運ぶと目を輝かせた

「うん！これはうまい！料理長にお礼を言っておいてくれ」

『もちろんです』

私も嬉しくなりパンを口に運ぶ

おじいさまは紅茶を一口飲み、口元を和らげた

「今日の紅茶もとても美味しいね、Aちゃん」

『ふふ、ありがとうございます』

その会話を聞いていたディーノさんは一瞬目を丸くした

「この紅茶はAが？」

『はい！私、紅茶がとても好きなのでいつも入れさせていただいているんです』

「そりゃすごい！ロマーリオお前も飲んでみろよ！」

そんな和気藹々とした時間を過ごし、ティータイムが終わった

「それじゃあ、私は仕事があるから。ディーノくんゆっくりして行ってくれたまえ」

「はい、ありがとうございました」

おじいさまがお仕事に向かわれ、私とディーノさん、ロマーリオさんが部屋に残った

「A、よかったらお前と話をしたいんだが」

『私とですか？構いませんよ』

ディーノさんに誘われ、領内の庭をゆっくりと散歩がてら話すことにした

「Aは何か好きなこととかあるか？」

『そうですね、読書が好きですね。あと、幼い頃からやっていた薙刀をやるのも好きです』

「へえ！薙刀やってたのか！」

ディーノさんは笑顔で私の話を聞いてくれている

マフィアのボスとは思えないほど友好的で、私もついつい口が回る

『はい、今はある方と刃を交える日まで猛特訓中なのですが』

「ある方？」

『独立暗殺部隊に所属しているスクアーロさんです』

私がスクアーロさんの名前を口に出した途端、ディーノさんの歩が止まった

一瞬、ほんの一瞬だか険しい表情を見せたがまた先ほどのような笑顔に戻った

「そうなのか、頑張れよ」

『？はい』