杖に魅いる２【ハリーポッター】 (ページ9)

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第9話ページ9

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ハリーは疲れていた。

昼間家に客が来たとき、ハリーの部屋にも予期せぬ客が来ていた。

ドビーという屋敷しもべだ。

Aやロン、ハーマイオニーから手紙が来なかったのはドビーが止めていたからだし、ドビーのせいでバーノンが怒ってしまったのだ。

「ごめんよ、ヘドウィグ」

きっと明日にはハリーの部屋の窓は鉄格子が付けられてしまうし、ドアだって外からしか開けられないようになる。

それ以前にヘドウィグはカゴの中でずっと過ごしているのだ。

「みんなは楽しんでるのかな」

ハリーはヘドウィグに話しかけるように言い、もう見飽きた夜の景色を窓越しに見つめた。

すると、どこからかコントラバスのような音が聞こえてきた。

ハリーはベッドから飛び起き、窓の外を見た。
青白い光がこちらに近づいてくる。

「うわあ…何あれ」

その音が鳴き声だと分かった頃には、青白い光はハリーの部屋の中をグルグルと回っていた。

「クジラだ。水族館みたい」

水中にいるはずのクジラが、空中を泳いでいる神秘的な姿にハリーは胸を躍らせた。

「ねえ、君はどこから来たの？ダンブルドア先生からの遣い？」

部屋を回るクジラに合わせて、自身も体をゆっくり回転させながらハリーは聞いた。

しかし質問に答えることはなく、歌うように鳴き声を発すると、また外へ出て遠くに見えなくなった。