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谷「敦くん、目の色が変わってる…」

ナオミ「凄い気迫ですわ…」

『ん』


最後の一口の蛋包飯(オムライス)を口に入れながら頷く
“職業” と聞いて思い浮かぶものを片っ端から上げていく敦くんと、(すべ)て「違う」と否定してる太宰さんをみて、潤くんが「出鱈目(でたらめ)だ…」と呟いて、「ですね…」とナオちゃんが呟く

「どうせ、何もせずにふらふらしていただけなのだろう」と云う国木田さんに「違うよ」と太宰さんが優しく答える


太「この件で私は嘘はつかない
  降参かな、敦くん

  じゃ、ここの払いは(よろ)しくね」


そう云って、伝票を敦くんに渡す
丁度その時、潤くんの携帯がピリリリ…と鳴った
首を傾げながら、「はい、谷崎です」と電話に出る
話を聞いて、「はい、わかりました」と電話を切ったのを確認して国木田さんが「依頼か?」と聞いた


谷「はい、依頼人の方は既に事務所の方に…」


太宰さんの「それじゃ、仕事の時間だ」という言葉に、皆一斉に席を立って切り替える


太「私の過去の職業中て遊戯(ゲェム)は、また次の機会に」


そう云って、敦くんに微笑んだ




***




谷「えぇっと…調査のご依頼と伺っていますが、一体どのような御用件でしょうか…?」


事務所に戻り、事務所の一角にある衝立(ついたて)で囲われた空間で待っていた依頼者の前に座り、潤くんが聞く
依頼者の方は見た感じ20代の女性
肩までの長さの金髪の、美しい方だった


太「美しい…!
  水蓮(すいれん)の花の(ごと)果敢(はか)なく、そして可憐なお嬢さんだ…
  どうか私と、心中していただけないだろうッカァ!」

「え?」


国木田さんが、女性の前に(ひざまず)いて片手をとって話かける太宰さんを殴り飛ばした
資料室の扉の前まで飛んでいく太宰さんを、目が点な状態で見つめる私と潤くんとナオちゃんと敦くん
女性は、表情を変えずに眺めていた


国「嗚呼(ああ)、お騒がせしました、気になさらずに
  今のは忘れて、続けてください」


()れだけ云って、太宰さんを掴んで資料室に入り、扉を閉めた



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作者名:せな | 作成日時:2020年12月23日 19時

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