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国木田さんが敦くんに注意事項を教えながら太宰さんに話を振る
その太宰さんはと云うと、店員さんに「貴女のその手で私の首を〜」なんて云っている
その様子を眺めていた敦くんが「里見さんは」と私に話を振ってきた
敦「今日遅れてきたのには何か理由があるんですか?
なんか皆さん心配してましたけど…」
谷「ちょっとそれは『大丈夫、潤くん』でも…」
国木田さんに怒られてナオちゃんといちゃつくのをやめた潤くんが止めようとしてくれた
でも大丈夫、もう過去の話
『先日、祖母が亡くなってね
昨日、一昨日は祖母の葬式に行っていたの
帰ってこれたのが昨日の深夜で、社長とか太宰さんとか、皆優しい方ばかりで “葬式の翌日も休んで良い” と云ってくれたのだけど、祖母は祖父が亡くなった時に “こんな老いぼれの死を悲しんでいる暇があったら働きなさい” “悲しむのは葬式の日だけにしなさい” って
“悲しむのは何時でも出来るけれど、仕事は今しかできないのだから” って仰って
祖母は優しい人けれど厳しい人だったから…
私は昨日、目一杯悲しんだ
だから、気持ちを切り替えて、今は仕事を頑張るの』
笑って言うと、「ごめんなさい、軽い気持ちで聞いてしまって…」と謝られた
『謝らないでいいよ、大丈夫』
「ね」と聞くと、
『因みに、両親は健在』というと、驚いていたけれど
「そう言えば」と思い出したように口を開いて、太宰さんと国木田さんに声をかけた
敦「お二人は探偵社に入る前は何をしていたんですか?」
彼のその一言により、前職
敦「うーん…谷崎さんとナオミさんは…学生さん?」
谷「お、中った
凄ーい!」
ナオミ「どうしてお分かりに?」
ナオちゃんが不思議そうに聞く
敦「ナオミさんはバイトだって聞いてたし、制服姿からして現役の学生さんかなって
谷崎さんの方は歳が近そうだし、勘です
里見さんも歳が近そうなんで、学生さんかな…?」
少し恥ずかしそうに云う敦くんに『正解!』と答える
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作者名:せな | 作成日時:2020年12月23日 19時