探偵社の戦闘系女子 (ページ25)

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9 うつくしき人は寂として石像の如くページ25

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ふと意識が浮上した
何かふわふわした物の上に寝ているらしい

目を閉じたまま、周りの気配を探る
周囲には人の気配はないので、先ず薄目で様子を窺(うかが)う

……うん、大丈夫そう
此処がポートマフィア(敵地)なのは、意識を失う直前の出来事からなんとなく予想ができる
問題は、太宰さんが何処に居るか、だ

起き上がりながら太宰さんの囚われてそうな場所を考える
どうやら、ベッドの上に寝かされてたらしい
カーテンで仕切られているのを見ると、医務室的な場所だと思うけど……

『此処はポートマフィア、太宰さんは元幹部……
ポートマフィアは確か、裏切り者は消す
裏切り者は拷問室に連れて行く……地下かな』

拷問室って大抵地下とかの外から見えない処にあるものよね
どうしたものか、と思いながらも廊下に出て、此処にくる前に太宰さんに何故か贈品(プレゼント)されたサングラスをして、目的地を探す

面白いくらい沢山の黒服さんとすれ違うのに、誰も私を止めたり追いかけたりしない
矢っ張り(やっぱり)、人数が多いから誰も全員の顔を覚えてないのだろう

しかし、探し始めて5分は経つのにまだ見つからない
しょうがないか、と思い、たまたま向こうから歩いてきた黒服の人に声をかけてみることにした

『ねぇ、君』

「はい、なんでしょうか」

『先刻(さっき)、元幹部の裏切り者が連行されたと風の噂で聞いたのだけれど』

バレにくい様に声を少し低めにしてみると、相手は特に気にした様子もなさそうに「あぁ、拷問室に連行されているのを見かけましたね」と答えた
ビンゴだ

『一寸(ちょっと)私もその人に会いに行こうと思っているのだけれど、久しぶりに帰ってきたので拷問室への行き方を忘れてしまってね
教えてくれないかな』

少し圧をかけながら聞いてみたら、案外すんなりと教えてくれた
是でいいのか、ポートマフィア……

そこからまた5分くらい歩いた
やっと着いたのは、重々しい扉の前
之が拷問室に行くドアだろう
ゆっくり、静かにドアを開けてみた、ら

「二度目はなくってよ！」

階段の真ん中辺りで男性が背中を向けて、内股で太宰さんの方を指差しながらオネェになってた

理解できなくて静かにドアを閉めたら、怒られました
すみません

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