検索窓
今日:21 hit、昨日:8 hit、合計:21,469 hit

4 運命論者の悲しみ ページ16





ポートマフィアの所為(せい)で傷だらけになったナオちゃんと潤くん、敦くんを連れて探偵社に戻った翌日、事務所で昨日のことを報告書に纏めていたら、突然窓の外から爆発音が聞こえた
何時(いつ)医務室から帰ってきたのか、敦くんが窓の外を見ていた


『如何かしたの?』


敦くんに近寄って声を掛けたら、「Aさん…」と吃驚した表情で振り向いた


敦「何処かで爆発が遭ったみたいで…」


確かに、遠くの方で黒煙がもくもくと上がっているのが見えた


『如何したんだろうね…』

敦「一寸(ちょっと)見てきてみます!」

『あ、敦くん!』


私の声も聞かずに、走って行ってしまった
まぁ直ぐに戻ってくるだろうと思い、報告書の続きを書く

すると案の定、数十分くらいで帰ってきた
そして何故か、荷物を片付け始めた


『出掛けるの?』

敦「Aさん、すみません
  お世話になりました」


其れだけ云って頭を下げ、扉から出て行った


賢「如何したんですかね?」

『如何したんだろうね?』


2人で頭にハテナを浮かべながらも仕事に戻る
数分後、国木田さんが沢山のファイルを持って事務所に入ってきた


『あ、お帰りなさい』

国「小僧、何処に行くか云ってたか?」


ファイルを机の上に置いて、私に聞いてくる


『いえ、聞いてないですけど…』

国「ったく…こんな時に何処へ行きやがった…」


国木田さんと話していたら、突然「あ」という呟きが聞こえた


『如何したんですか、乱歩さん』

乱「そろそろ来るよ」

与「何がだい?」


直後、事務所の扉が バン! と言う音と共に、此方側に倒れ込んできた
それに驚いて、皆で一斉に入り口を見る
すると、沢山の黒服のスーツの男が銃を構えたまま入ってきた


国「貴様達は?」


乱歩さんの席の前にたまたまいた国木田さんが聞くと、扉の前にいた年寄りの男性が「失礼」と咳払いした


「探偵社なのにアポイントメントを忘れていたな……それから、叩敲(ノック)も」


声を聞いて正体がわかったのか、国木田さんが「ポートマフィアの黒蜥蜴(くろとかげ)…!」と呟いた
黒蜥蜴は拙いって…


「ま、大目に見てくれ
 用事は直ぐに済む」


その言葉を合図に、一斉に銃を此方に向けてきた
それまで優雅にラムネを飲んでいた乱歩さんも、其れには驚いたのか立ち上がった




4-2→←3-3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:せな | 作成日時:2020年12月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。