壊れた人形【銀魂】

第8話 ページ10

「で、こいつが今日から入ったAだ。美人だからって手出すんじゃねーぞ。多分斬り殺される。」


「昨日の夜土方さんが風呂覗いて半殺しにされてたから、それを参考に気を付けろよてめーら。」


「だから嘘言うんじゃねぇよ！」


そんなこんなで騒がしい毎日が始まった。




「A〜！見回りに行くぞー！」

「A！ちょっと稽古つけてくれないか？」

「A！あんぱん食べる？」


真選組での日常は想像していたよりも結構忙しい。

最後のあんぱんに関してはもう忙しいとかじゃなく正直いらない。


「おいおいお前ら、まだAは怪我が治ったばっかりなんだからあんまり無茶をさせるな。」


「近藤、私は大丈夫。」


傷もほぼ残っていない。
ここでの治療のおかげだ。


そんな中、突然の知らせが飛び込んだ。


「局長！攘夷浪士と思われる人物を見つけたそうです！」


「よし、すぐに向かえ！A、お前の初めての仕事だ。ついて行ってみるといい。」


「分かった。」


すぐに私も山崎たちと一緒にパトカーに乗り込む。


私は真選組ではないため制服は支給されていないから前の着物のままだ。

まぁ動きやすいように工夫はしているが。


だからパトカーに乗ると私が連行されているように見えてしまう。


「なんかAが捕まったみたいだね〜。」


分かりやすい説明をありがとう山崎。


「それで、その攘夷浪士は？」


「確かこの辺にいたらしいけど……あのさ、Aって旦那たちと一緒で攘夷志士だったんだよね？」


突然、山崎はなぜか心配そうに私をのぞいた。


「別に攘夷浪士捕まえるのに抵抗なんてないよ。だから心配しないで。」


恐らく山崎が聞きたかったのはその部分で合っているだろう。

私の回答を聞き安心したようだった。



「あれ。」


ビルの三階あたりを指差すと、そこには男が3人程いた。


「すぐに行こう！」


「うん。」


そう言って私たちはパトカーから降りてビルの中へと走って入る。

いくつかに分かれてこのビルを捜索することになった。


私は1人でも大丈夫と言い、上を目指して階段を上がる。


5階まで来た時、廊下の奥で人の気配を感じた。


いるのは……1人だ。
私ならいける。


距離的には30m程か。


「…ん？そこにいるのは真選組かな？隠れたって無駄だぞ。俺には勝てまい。」


バレてる。

あまり殺気は出していなかったと思うが。

なのに気づかれたということは相手はかなり出来るやつらしい。


もう隠れる必要もないため陰から飛び出し一気に距離を詰める。


陰から出た瞬間、爆弾によって視界を奪われた。

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