アレルギーあるある話 ページ8
犬飼はくだらない愚痴を聞かされ、うんざりしている。
当然ながら二宮に睨まれる立場なわけだが。
柊の愚痴は二宮のバレンタインチョコの話から始まった。
食べれないチョコを見て、アレルギーの話になった。
簡単に言うとアレルギーあるあるの話だ。
「乳製品ってことはケーキとかアイスとか無理ってことですよね。
女の子は甘いものが好きなのに、大変だな〜」
「俺、甘いもの、嫌い」
「そ、そうですか」
「乳製品ダメだと甘いものが学校で食べなくて済んだな。
アレルギーを知ったのは中2の時だが、それまではアイスが地獄だった。」
アイスを地獄という女性は珍しい。
甘いものは苦手という柊には、アイスからシャーベットという地獄が来たわけだ。
シャーベットや飴は柊には砂糖の塊に見えたに違いない。
「学校のアレルギー食はマズイ。
グラタンの代わりが温野菜だぜ?
魚のクリーム煮なんかは味なし魚だ!!」
「学校給食はマズイのに、拍車をかけてヤバそう・・・」
「酷いときはアレルギー食が出ずに、野菜だけ食べた。
バターロールそのまま出すなよ・・・」
バターロールはバターがつくだけに間違いようもない。しかし、人がやるのだから間違いは必ずある。柊にはいい迷惑だが。
犬飼は柊との外食は大変だなと思いつつ、二宮と焼肉にはいけると安堵した。
焼肉でジンジャーエールの二宮が目に浮かぶ。
「乳製品ダメって言ってんのに、何故か卵まで抜かれるんだけど。」
確かにミックスする。例えばマヨネーズとか。
どうも卵と牛乳は人によっては近い存在らしい。
理由はわからないのだが。
「頭からミルクティーかぶった際は酷かった」
「え!?」
「男子がペットボトルのミルクティーを振り回し、中身が出た。」
「すげ」
「俺は腹を壊したり頭痛がしたり、肌荒れするタイプなんでね。
しかし、みんな俺に『死ぬな!!』だぜ?
勝手に死なすな」
終わらないだろうか。二宮に見つかれば、犬飼は標的にされる。
そんなこと柊は知る余地もないし、知ったどころで放置だが。
「てことはサイゼリアいけないじゃないですか」
「何、食うんだ、あそこで」
「俺と焼肉でも行けばいいだろ」
犬飼はその声に肩を震わせた。
その声は犬飼を威嚇し、柊には優しく接していたのだ。
「二宮が奢りか?犬飼と辻と鳩原にもだ。あ、加古にもか?」
二宮も犬飼も毎回思うが、柊はわざと雰囲気を壊しているのではないだろうか。
好意を寄せられていると気づいていて。
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作者名:幻影のアレクトラ | 作成日時:2016年2月6日 20時