喧嘩両成敗 ページ4
防衛任務は遊びではない。
まぁ遊び感覚でやる奴もいるだろう。緊急脱出できるのだから、死ぬことはないわけだし。
それを許さない奴は当然いる。
二宮は警戒区域内で日向ぼっこしている奴を見つけた。
ボロい屋根に寝そべるおサボりを二宮は撃つ気でいたが、隊務規定違反なのでやめた。
日向ぼっこのおサボり奴の柊は、二宮に気付き目を開けたと思えば、また寝てしまう。
「何をしている」
当然の質問だ。
気の効いたことを言えない男である二宮は、柊の横に座り込んだ。
サボり魔と化したことに気づかない二宮。
「俺がなにしてようが自由じゃねぇか」
三流のありがち台詞だが、あながち間違いではない。
何をしていようが迷惑でさえなければよい。
「それより、貴様。俺の横に座るな」
「俺が何をしようが自由だ」
そう言われては柊は何もいえない。
自分の台詞に縛られてしまった訳だ。
しかし、自由人柊がそこで負ける訳もない。
喧嘩になる勢いで柊は怒鳴り付けた。
「うるせぇよ、てめー!!
ぶった斬るぜ!!」
「隊務規定違反だが」
「あぁ!?減点がなんだよ・・・」
この会話は二宮隊の全員が聞いている。
犬飼はなぜこうなる、と言い叫んでいた。
二人きりでいい雰囲気にならないのでモヤモヤする。
少女漫画ならこの手の女子は、男性に弱い設定なんだが。
なぜそうはならないのか。
ムカつくぐらいにうまくいかない。
それとも照れているだけか。
「てめーはストーカー臭くてウゼェ!!」
その台詞に二宮も犬飼も停止した。
そして心当たりはなきにしもあらず。
柊のことを調べていた二宮と犬飼。
ストーカーと言われても仕方がない。
何も言えないのだ。
柊は弧月を二宮の頭に向かい振った。
隊務規定違反を本当に気にしていないらしい。
二宮は普通にフルガードで防いだ。
防ごうが防がまいが、自由だと言われかねない。
「オラ、斬られとけ!!」
二宮は冷静に抵抗を開始した。
距離を置き、ハウンドを出して構える。
柊も弧月とメテオラを構える。
やる気充分のようだ。
二宮は自分も隊務規定違反だと理解しているのだろうか。
原因は二宮にもある気がする。
しかし、二人は何もできなかった。
なぜなら・・・
二人の間を一つの弾が通過し、二人を驚かせたのだ。
後に鳩原が二人を止めようとアイビスを撃ったことが明かされる。
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作者名:幻影のアレクトラ | 作成日時:2016年2月6日 20時