誘拐犯とサイコなロリ

第8話:ていく2！ ページ10

チー坊がスズに引き摺られて

やって来たのは昨日と同じ現場。

Aは2人から離れて公園のベンチで

様子を見守る。

間も無く2人の茶番が始まった。



「お嬢ちゃん、こんな所でどうしたの？」

「おつかい！」

「偉いねえ、なに買って来たの？」

荷物持とうとしてる善良な人を装った

感じのいい対応だ。怪しまれにくいだろう。

これなら怪しまれず終われるのでは、

そう思っていたAのスマホにスズの

突拍子も無い言葉が飛んで来た。




「えっとね、お米10kgでしょ、お砂糖1kg

でしょ、あ、あと2Lお水一箱！」



約23kg！



スズはなんで毎回毎回イかれた回答

をしやがる！？

そんなボケにも真摯に対応するチー坊

の言葉が続く。

「ええ！？よくそんなに持てるね！？

半分くらい持ってあげるよ！？」

「良いの！？じゃあお願い！

お兄さん！」

架空の荷物を受け取るフリをして

こちらへ向かって来る。

歩きながらスズに質問しているようだ。

「お嬢ちゃん、お母さんと一緒に

来たりしないの？さすがにこんなに

持たせるのは酷いんじゃない？」

「え？お母さんは最上川に洗濯ついでに

カジカとイワナ釣りに行ってるよ！」

なんでわざわざ上流部の魚種を言う！？

お母さんバイタリティ溢れすぎだね！？

Aが異常に魚種について頭の中で

ツッコミを入れるどころか後半若干

声出しかけたが、チー坊は聞こ

えていないようで他の言葉を返す。

「ええ！？じゃ、じゃあお父さんは？」

慌てたチー坊の問いにスズは

先ほどよりも衝撃的な回答が返した。







「んとね、借金取りに追われてる！」







『！？』

A達だけでなく、周囲の大人

が振り返った。

((アホおおおおおおおおお！！！！！))

チー坊とAは心の底でそう叫んだ。

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