検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:57,579 hit

*33* ページ34

敵はほぼ全滅した。
残っているとすれば、戦闘力の持たない幼子くらいだろう。


「そろそろ引き上げようか」


いつもの笑みの神威。
今回の戦いは及第点くらいだろうか。


『はぁ…』

「どうしたんだ?嬢ちゃん」

『いや、少し油断したところがあったと反省中さ』

「反省ねぇ、まあ夜兎らしくねぇミスだよな」

『戦闘慣れはしてないからな。これから稽古つけてくれないか、阿伏兎』

「俺がか?あの戦闘バカに頼めよ」


Aの顔が曇った。


『あいつは…神威には頼めない』

「はぁ、ダメだったのかよ。急にどうしたんだか」

『私が近づいたら、首を掴まれて…本気で…』

「ちっ、あのすっとこどっこいは本当に何考えてるか分かりゃしねぇな」

『…』

「落ち込むのも無理はねぇだろうけどよ、仕事に支障が出ない程度に頼むぜ。俺も少しは探ってみるからよ」

『すまないな…』


船の中で阿伏兎と話していくうちに少しだけ心が軽くなった気がした。

一通り話したあと、Aは医務室へ向かった。


「お、第七師団の嬢ちゃんじゃねぇか。怪我でもしたか?」

『今日はかすり傷ですんだよ。今まで助けて貰ったからまた手伝いでもって』

「健気な嬢ちゃんだな、お言葉に甘えようかね」


数人手当てする人がいる程度だったが、深手の怪我が多かった。


「いっ…」

『よくこんなんで闘ったよ…ほら、包帯巻くからじっとしてな』

「すまねぇな…」


大怪我を手当てし終えると、次の手当の相手は…


『か、神威…』

「…はやく手当てしてよ」

『あ、そうだな…』


あまり深くない傷ではあったが、放置してはまずいとのことで応急処置をした。


『神威、さっきは…ありがとう。危なかったところを…』

「別に、ちょっと暇だっただけだよ」

『それでもいい、助かった』

「そっか」


ぎこちない会話だった。いつもなら、神威から話しかけてくることが多いのに。


『よし、終わった』

「ありがと、それじゃ」


神威はすぐ去っていった。


「なんだ、Aさんと喧嘩でもしてんのか?」

『あはは、ちょっとなー…』

「そんな人に頼むのもあれだが、これ届けといてくれ。団長さんに」


包帯を渡される。
いつも神威が使っているやつだろうか。


「この前包帯が切れたとかいっててよ。うちにも在庫がなかったから待って貰ってたんだ。頼めるか?」

『あ、うん。それくらいなら大丈夫だ』

「そんじゃ、頼んだぞ。仲直りしろよ」


Aは神威の部屋に向かった。

*34*→←*32*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 春雨
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
- ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
- 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月21日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。