5、変死体 ページ6
倉庫の中は予想以上に酷い有り様だった。入った瞬間に今まで嗅いだことも無いくらい強烈な腐敗臭が鼻を襲い、むせかえって咥えていたタバコを吐き出してしまった。どういうわけかコトはこの倉庫に怯えて入り口から中に入ろうとしない。
内部はほとんど朽ちていて空っぽになった棚がいくつもそこに置いてあった。しかしその棚の一角、そこだけまるで何かを隠すように厚目の布が被せられていた。腐敗臭の原因はここであるらしい。強烈な臭いに加えて無数の蠅が集っていてめくりたいとは思えないが…。
「ああくそっ!背に腹は変えられぬってやつか!?それっ!」
意を決して布を思いっきり引き剥がす。布に着いていたカビが舞い、蠅の大群が一斉に辺りに飛んでいった。そしてその布の下にあった物を見て俺は絶句した。
「なんだ…これは…?」
布の下には5、6個の棺桶が乱雑に置かれていたのだった。開いている棺桶はどれも空だが一つだけ空いていない棺桶があった。これだけ厳重に鍵がかかっているため開かなかったようだ。南京錠を破壊し、恐る恐る中身をだした。
中から出てきたのは回収依頼が出ていたリチャード・D・モリスンの死体だった。だがリチャードの死体は恐ろしいほどに変貌していた。
背中の肩甲骨の辺りから腕が3本新たに生成されていた。合計で8本。端から見れば阿修羅と呼ばれる神に見える。死因は不明。やはりいきなり老衰したとしか思えない死に方だった。
その後棺の中から彼の手記が見つかった。その内容はほとんどかすれていて読めなかったが最後の一文はギリギリ読むことができた。
『私は神ではない。』
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地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時