6、残された手記 ページ7
「…また迷ったのか。」
「はっはっは!何度来ても君の事務所の位置が分かりにくくてね!」
現在時刻は朝の8時を少し回ったところ。事務所にウィルがやって来たが案の定遅れてきた。理由は俺が事務所をわざわざ分かりにくい場所に決めたことが原因であるがもう何度も来ているのでいい加減覚えてほしい。
「そんなことよりハザマ。君は昨日ハリストロ倉庫郡に行ったそうじゃないか。」
何か情報はあったのかい?と聞いてくるウィルに対して俺は数枚の写真を投げてよこした。写真を見たウィルの表情がこわばる。
「…な、なんだいこれは?人…なのか?」
「リチャード・D・モリスンだ。異形と化してるがな。…まるで阿修羅だ。」
今俺は阿修羅という表現をしたが阿修羅は主に顔が3個、腕が9本だったはずだ。
この変異は腕の数から言って阿修羅と言うよりは観音様と言った方がしっくりくるかもしれない。
「この遺体はどうしたんだい?」
「依頼主に灰になっていたって説明して火葬した。特に持ち物は身につけていなかったな。唯一こいつの入っていた棺桶から手記が見つかったくらいだ。」
それはモリスンの棺桶から見つかった手記だ。文字はほとんど掠れていて読めないがこの掠れようは明らかに人の手で潰されたものだ。おそらくモリスン本人がこの事件の真実を書いた物で犯人に見つかっても隠滅されないようにするためにわざとこうした物だろう。
「例えば、ここ読めるか?」
俺はp25と書かれた場所を指した。
「p25→skip?25ページを飛ばして読めってことかい?」
「違うな。p25は25ページであってる。skipは飛ばす。つまり25ページ分飛ばすってことだよ。えーと、50ページか。」
こんな風に手記を解読していく。
「じゃあ、このDー25、Sー69 Vー4ってのは?」
「このページには英単語がかかれている。この表をアルファベットで区切ってその単語を読む。D列の25単語目はreodeling、改造。S列の69単語目はhuman、人間。V列の4単語目はweapons、兵器。つまり…」
「人間兵器への改造…!」
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地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時