3、旧友 ページ4
「ジャルドーレの大人だけが相次いで失踪…この間の事件の時よりは楽とはいえ君が手詰まるなんてらしくないじゃないか。」
「あほ、下手すりゃこの間の事件よりたちが悪いわ。死体が見つかるだけましだが逆に分からない謎が次々に増えていきやがる。」
俺が煙を吐き出して隣を見ると、旧友のウィルことウィリアムが腹が立つほど面白そうな顔でこちらを見ていた。
さらに俺の後ろではコトがテーブルに並べられた見るからに高そうな食器類をまるで積み木か何かのように黙々と上に積み上げていた。
「その子はあの時の子かい?」
「ああ、あれから3年がたつがいまだにわからないことが多過ぎてな。この件が片付いたらこいつのこともよく調べねぇとな…。」
コトはパラサイトセラピーの被験体だった。そのため世間から人とした扱いを受けてこなかった。さらにコトが受けたパラサイトセラピーは情報屋でも役に立つ情報を得られていないほど希少なものらしい。
「ってそんなことはどうでもいいんだよ。なんか情報もってないか?」
彼はどちらかと言うと面白いことを優先するようなタイプの性格でジャルドーレで起きた事件の情報を独断で集めていたりする。まあ本当は裏の人間を始末するために情報を集めていると言うこともあるかもしれないが…。
だがウィルから得られた情報は全て俺がすでに得ていた情報ばかりであった。些細なことでも無いかと問いただしたがウィルは首を横にふるだけだった。
「僕はあくまでただの伯爵だよ?流石に僕の情報収集能力じゃ新鮮な情報を手に入れるのは厳しい部分があるなぁ…」
結局特に有力な情報は得られず、振り出しに戻ることになったのであった。
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時