・ ページ24
周りから『暴君』と呼ばれ、恐れられている彼女。だが、そんな彼女も恋をしているらしい。海の向こうの橙の国の王子と彼女は、婚約を交わしていた。いわゆる遠距離恋愛という奴である。彼と文通をするのが、レンの趣味だった。ある日、その彼から手紙が届いた。
『レン=ルシフェン=ドートゥリシュ様
私は緑の国に住んでいるミナトという女性に一目惚れし、恋に落ちました。つきましては、この婚約を、破談とさせて頂きます。
トム=マーロン』
「ああ、憎い、憎い！あの人を奪った緑の女！
ツカエ！大臣を呼んで！」
「はい、王女様」
「緑の国を滅ぼすの！あの人を奪った女がいる国なんて、焼き払ってやる！」
レンのその言葉により始まった戦争に、血を流す人々。
着々と緑の国が劣勢になっていること、そして、王子が好きなった女が死んだと報告されたレンは、上機嫌な様子で報告に来たものを下がらせた。
今にも鼻歌でも歌いだしそうな様子で廊下を歩くレン。ふと見た時計の針は、もうすぐ3時を指し示そうとしていた。レンはおやつの催促に向かうために、ツカエのいる厨房へと足を進める。
「あら、おやつの時間だわ。」
まるで無邪気な子供のように、レンは笑った。
隣の国では戦争が起こり、その民達は次々と命を落としているというのに。鐘がなった瞬間にそのことは綺麗に忘れ、おやつへと興味を向けている。
それはとても気味の悪いものであった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫鐘(プロフ) - 文字数確認の為、一度非公開で保存しました (2022年9月23日 3時) (
レス) id: 1589028db0 (このIDを非表示/違反報告)
YUI*p(プロフ) - 紫鐘さん» どうぞ〜！楽しみにしてます、頑張ってください！ (2022年9月23日 3時) (レス) id: 804b0d7da1 (このIDを非表示/違反報告)
紫鐘(プロフ) - 更新します (2022年9月23日 3時) (レス) id: 1589028db0 (このIDを非表示/違反報告)
YUI*p(プロフ) - 音朱(おとあ)さん» 読んでいただきありがとうございます〜！音朱さんの文章、楽しみにしてますね！ (2022年7月29日 17時) (レス) id: 804b0d7da1 (このIDを非表示/違反報告)
YUI*p(プロフ) - 凛導碧さん» 読んでいただき、ありがとうございます！拙い文章でしたが、喜んでいただけたなら良かったです…！！ (2022年7月29日 17時) (レス) id: 804b0d7da1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
