【x-1】それぞれが紡ぐ物語は＿＿＿1冊目【派生作品】

さあ、跪きなさい ページ23

昔々、ルシフェニア王国には、とある娘が居た。
彼女の名前はレン=ルシフェン=ドートゥリシュ。
14歳という若さでルシフェニア王国(通称『黄の国』)を統べる王女である。
彼女はギラギラとした煌びやかな装飾や調度品に囲まれ、可愛らしいドレスやネックレスを身につける。
その後ろには、仕方ないというような顔をしたツカエが、召使いとして控えていた。
調度品や召使いなど、これらのすべてが全て彼女の物であった。

ある時、玉座の前で必死に許しを乞う男。どうやら、レンの機嫌を損ねたらしい。
＿＿＿逆らう者は、みんな首をはねればいい
ゾッとするような冷たい目でそう告げたレンに、男は顔を青ざめさせる。そのまま叫び声をあげる男を無視して、ツカエはその場にいる兵士に男を連れて行くように命令した。
しばらくして赤い血しぶきが舞い、先程の男の断末魔が聞こえた。

「この、暴君王女が！！！」

丁度男の処刑をしていた頃、庭園に綺麗な紫色のバラが咲いた。
それはとても可憐で、とても鮮やかな色をしていた。
周りには雑草もあったが、バラの養分にでもなったかのように、ほとんどが朽ち果てていたらしい。

・→←あとがき

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す