【おそ松さん】脱出ゲーム

失った4本の指 ページ33

ーー 一松sideーーー

一「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ！！！」



右手に激痛が走った。

ふと右手を見てみると、

人指し指

中指

薬指

小指

の第一関節から先がなかった。

自分の指が虎に餌食されてるのを呆然と見つめた。



だって今はそれしかできないから。



指があったはずの右手は、親指一本を残して悲惨な姿になっていた。


指の部分からつき出た骨。

その周りから滝のように流れる赤黒い血。

それらは俺に死を告げるように見えた。



一「あ…ああ…俺の…指が…っ」



俺は絶望が限界にまで達し、その場にうずくまった。

指を食べていない腹を空かした虎たちが俺を食べようと近づいてくる。


一匹の虎が俺の頭めがけて爪を降り下ろしてきた。

けど、俺の体は動こうとしない。


動け…っ

動けよ…っ！！！



爪が降り下ろされる。


けど、痛みを感じなかった。



おそ「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！」



振り返るとおそ松兄さんが虎を殴って気絶させていた。

強い。(確信((



一「え……なん…で…」



おそ「ﾊｱ…ﾊｱ…だい…じょうぶ…か…？一…松…。」



そういって微笑みながら手を握って立たせてくれた。


こんなときまで優しくしてくれるおそ松兄さんは、カッコいいと思った。


_________その時は。







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