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story19 ページ20

「ねぇ」

そう声をかけると、赤毛ちゃんはクルッと振り返った。
赤い髪がフワリと揺れ、つり上がった猫のような目が光る。

「えっと、あんた、誰。」
「俺は黒木 貴和だよ。知らない?」

赤毛ちゃんはしばらく考えると、真面目な顔をして頷く。

「うん、知らない。」

…面白いな。
落としがいがありそうだ。

まず、自分で言ってはなんだが、秀明にいて俺を知らない女子は殆どいない。
そして、たとえ知らなくても俺に声をかけられた女性は結構な確率で顔を赤くする。

これが、こうも2度も続くと…。

「君、可愛いね。よかったら名前教えてよ。」

俺がそう言うと、赤毛ちゃんは『はっ!?』と言いたげな顔をする。

「…まさか、そんな事のためだけに呼んだわけ…?」

ガックリと落胆する彼女。
こういう反応は新鮮だな。

「あの、ねえ。普通、顔も名前も初めましての人に、名前なんか教えるもんじゃないから。しかも、この状況明らかにナンパじゃん。尚更怪しさ倍増、絶対名前教えようなんて思わないから。イケメンさん、色々と学習しなよ。あっ、女って単純だから、イケメンさんなら名前教えるのかもね。」

…なんか、新しい人種にでも会った気分だ。

「あ」

赤毛ちゃんはパッと顔を輝かせた。

「名前教えて欲しかったら、私と一緒にスーパーまで来てよ。今日、お1人様2点まで、トイレットペーパーが安いから」

…。

「何、その顔。別に安い時に買うのに何がいけないの。で、あんたは来るの、来ないの。」

「お供させていただきます」

俺がそう言うと、赤毛ちゃんはあからさまにうえっとした顔をする。

「じゃあ行くよ」

俺は、そう言った赤毛ちゃんについて行った。


ー30分後ー

「はーやれやれ、助かったよ、エート…黒木?」

「役に立ててよかったよ、さあ、君の名前を教えてもらおうか」

「私は桜木香苗だよ。よろしくね、ナンパ男の黒木くん」

【完】

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チャッキー - すみません、さっきのコメント「アーヤを溺愛している。」の話です。色んなところで同じコメント打ちまくってます……。すみません (2020年11月22日 22時) (レス) id: 06fedc864f (このIDを非表示/違反報告)
チャッキー - パスワード教えてください!!!ずっと前に読んで、大好きでした!!!更新は止まっているかもしれませんが、どうかお願いします。ツイッターの名前も、チャッキーです (2020年11月22日 22時) (レス) id: 06fedc864f (このIDを非表示/違反報告)
アイロニ - 初めまして、コメントをするのははじめてですが、作品は出たばかりから好きでずっと読ませていただいていました。ロックがかかっていたので諦めていましたが、やはりまた見たくなってしまい帰ってきました。また見れると幸いです。 (2019年8月21日 4時) (レス) id: 7c353430b8 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - また、試してみました。また変な言葉が出て来ました、、、何故でしょう? (2018年4月13日 23時) (レス) id: aead4d6124 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - あ、すみません。あ、あのぅ作者の作品リストが見れないのは何故でしょう?私は全て読みたいので、無理だとわかって、すごいうわぁーーーーーーーーーーーーーーってなりました。見れるようにしてくれませんか??? (2018年3月27日 15時) (レス) id: 40a2a82728 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイル | 作成日時:2017年7月3日 12時

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