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「上着ミスった、さみーわ」
オーバーサイズのデニムジャケットに身を屈めるように風磨が呟く。
確かに、昼間は暖かいけれど暗くなるとまだ冷えるかもしれない。
前を歩く風磨の首元に、自分の巻いていたストールを引っ掛けたら、風磨が「いや変だろこれは」と苦笑いを浮かべていた。
「わたし厚着してるから全然寒くないし！」
「そういう問題じゃなくて、ファッション的にこのピンクって。俺やばい奴っぽくない？」
風磨は昔からセンスが良く、オシャレだ。
デニムのジャケットに黒のダメージジーンズ。
少し厚みのあるスニーカーにクラッチバッグ、キャップに色付きのサングラス。
芸能人気取りかよ、と突っ込みたくなる服装も風磨は本当に芸能人のように着こなしてしまうからずるい。
確かに今日の服装には、わたしが持っていた淡いピンクのストールはちぐはぐで、思わず笑ってしまった。
「なんかオネエっぽいね」
「誰がオネエよ、アンタちょっとどんだけ〜？」
「んははっ、オネエ降臨してるし！」
結局ストールを付けたまま、ふざけ合いながら歩いていたらあっという間に駅前に到着してしまった。
風磨の家から駅までは１０分くらい。
わたしの家はこの駅から２つ隣のところだ。
勿論わたしは実家だけど、風磨は大学生になってから、すぐに一人暮らしを始めた。
一人暮らしの話を聞いた時、こんなに近くに住むなら別に実家でもいいのに、と言ったら「何事も経験しておきたいじゃん」と言う風磨に対して大人だなあ、と当時高校生だった私はぼんやり思った。
「はい俺こっちだから。お前は駅だからあっちな」
「え！ここまで来たのに教えてくれないの？」
「あそこだよ、あのカフェ」
駅前に着くと、風磨は駅前の信号を渡ったところにある大通り沿いのカフェを指差した。
確か、少し前まではコンビニで最近新しく出来たような気がする。
ぼんやりと見える店内のオレンジ色のような暖かみのある照明は、いかにもオシャレな雰囲気を醸し出している。
「お店まで送ってあげるから！」
「…すぐ帰れよ」
「ちょっと覗くだけだってばぁ！ほら、遅刻しちゃうよ！」
「わ、引っ張んなバカ！」
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして！嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます！これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します！ (2019年5月3日 19時) (
レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゆ | 作成日時：2019年4月9日 22時
