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ポケットに突っ込まれていた風磨の手を取ると私は小走りで信号を渡る。
まだ新しいせいか店内にお客さんはまばらで、店の前には小さなイーゼルのような看板に Minette と筆記体で書かれていた。
「…みねっと?」
「店の名前」
「ええ〜!なんか可愛い〜!すごい!オシャレ!こんなとこでバイトなんて風磨ずるい!」
「そらどーも、じゃ、俺行くから」
「ちょっとちょっと!さっきからなんでそんな嫌がるの?」
「えー、なんかバイトしてるとことか見られたくねーし」
確かに、高校生の頃は私も風磨もバイトをしてなかったから風磨が働いてる姿は見たことないし逆の立場だったらちょっぴり照れ臭いかもしれない。
だけど!私はもうこの可愛らしいカフェに興味深々なのだ。昨日振られたことなんて、忘れちゃうくらいには。
「…コーヒー一杯だけ…!」
「お前コーヒー飲めないっしょ」
「カ、カフェオレなら…!」
「あ、ここブラック飲めない方お断りなんで」
「そんなカフェあるわけないでしょ!ねえ静かにしてるから!」
「ほらーこうなるから嫌だったんだよマジでさぁー」
「お願いお願いお願い!すぐ帰るからぁ!!!」
ああでもない、こうでもない、とお店の前で言い合っていたらカラン、とお店の扉が静かに開く。
お客様のお帰りか、ここでは邪魔になってしまう!と慌てて風磨が巻いていたストール(正しくは私の)に手をかけて引っ張る。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時