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「つーことで、俺はこれからバイトだからいくけどお前は?」
「えーどうしようかな」
土曜日の夕方、今頃なら昨日振られた彼とデートしているはずだったのに、と考えてまた鼻の奥がツンとして涙が出そうになった。
「別にここいてもいーけど俺帰り遅いよ、多分」
「バイトってなんのバイト?…まさか如何わしいやつ?」
「普通のカフェだわ。で、どーすんの、帰んなら一緒に出る?」
「えっ!カフェ?!なんかおしゃれー!カフェってどこのカフェ?お店の名前は?」
「駅前。…お前来んなよ」
「なんでよ!ひどい!」
「なんか色々面倒くさそーだから」
「面倒くさい…」
面倒くさい、というワードで『お前って面倒くさいから疲れるんだよね』と昨日言われた言葉が頭の中でリフレインして心がずーんと重くなる。
そんなわたしに気付いたのか、風磨が「別にそういう意味じゃねえよ」と鼻をかきながら訂正する。
風磨のこういうところが、わたしはすごく好きだったりする。
もちろん、男ではなく、友達、幼なじみとして。
「じゃあ、帰りがてら風磨のことお見送りしてあげる!」
「お見送りって何だよ…まあ、出るなら早く準備して。結構時間ねえわ」
「本当は嬉しいくせにー!素直じゃないな、風磨くん」
「…置いてくぞマジで」
こんな風に、どんなに悲惨な振られ方をしても次の日に笑顔になれるのは風磨が居るから、風磨が居てくれるからまた恋をしようって思える。
上着を羽織る風磨の後ろ姿にありがとうとこっそりお辞儀をして、慌ただしく準備をして風磨と一緒に部屋を出た。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時