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やべ、俺まで本当にここで寝ちまいそうだな。起き上がって、リビングへ戻ろうとすると、枕元でブーーーとスマホのバイブ音がした。
ずっと手に持っていたんだろう。俺が迎えに行った時も、部屋へ帰ってきて飲んでいる時もしきりにスマホを気にしていたから、中島からの連絡を待っていたんだと思う。
スマホを手にとって画面を覗くと、相手はやっぱり中島で、俺はなんの迷いもなく画面をタップして電話に出た。
「もしもし、Aちゃん…？」
不安そうな中島の声がスマホ越しに聞こえる。聞きたい事はたくさんあるけど、ここで俺がどうこう言っても仕方ない。至って冷静にいつも通りの声色で話した。
「Aちゃんならもう寝てまーす」
「……菊池？」
「うん、俺。」
「ごめん、俺、」
「謝んのは俺にじゃないっしょ？」
「…そうだな、ごめん」
「…何があったか知んねえけど、Aならもう寝てるから用があんなら明日かけてやってよ」
「……わかった、遅くにごめん」
「ふはっ、何回謝んだよ」
「菊池、」
「ん？」
「ああ、いや…何でもない。切るわ」
「おう、またバイトで」
「うん、じゃあね」
中島との短い通話を終えて、ぽい、とスマホをAの枕元へと戻す。なんとなく、いつもの中島のテンションとは違うような、そんな気がした。まあ、謝罪の電話だったようだし普通のテンションで話すわけもねーか。
ぴくり、とAが動いて、手をついてベッドに座っていた俺のほうを向くように寝返りを打つ。
俺の手の上に重なったAの手がきゅっ、と強く握られてAが小さな声で呟く。
「けん、とくん…」
こんなに近くにいるのに、こんなに想っているのに、Aが一番に想うのはいつだって俺じゃない。
それでも、その手を振り払うことが出来ないのは、好きだから、それでも一緒に居たい気持ちが勝ってしまうから。
「バカ…そこは"風磨"って言う所だろ…」
そんな言葉は、Aに届くはずもない。
小さなAの手を、俺も力強く握り返した。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして！嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます！これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します！ (2019年5月3日 19時) (
レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゆ | 作成日時：2019年4月9日 22時
