44 ページ44
.
健人くんと、キスしてしまった。
この何日間で色んなことが起こりすぎて私の頭はパンクしてしまいそうだった。
大好きな健人くんが好きだと言ってくれた。少し前までの私なら嬉しくて浮かれていたんだろう。
でも今は?
風磨の言う通り、これからは風磨と遊んだりお家にも、行くのはダメなことなのかな。当たり前に隣にいた風磨が居なくなっちゃうの?
「Aちゃん!おはよう」
「わ!びっくりしたぁ、聡ちゃんか、おはよう!」
ぽけーっとホールに立って朝の準備をしていたら突然後ろから話しかけられて思わず驚いてしまった。
昨日のキスの後、健人くんは何事も無かったみたいに「寝よっか」と笑って私は健人くんのベッド、健人くんはリビングのソファで眠りについた。健人くんのお家にお泊りした日に、私がソファーで寝る!と言ったけれど優しい健人くんは、絶対に譲ってくれなかった。
「驚き過ぎでしょ!今日Aちゃんも朝からなんだね」
「うん、今日は3時までだけど!聡ちゃんは?」
「え、風磨くんから聞いてない?昨日の夜俺伊野尾くんから電話きて今日風磨くんと勤務変わったんだよ!」
「今日風磨だったの?」
「元々ね!でもなんか風邪引いて、って言ってたけど…Aちゃんはてっきり知ってると思ってたよ〜」
「そ、なんだ…」
そんなの、知らない。連絡だってもちろん来てないし。最後に風磨の家に居たときの冷蔵庫の状態を思い出してみる。大したもの入ってなかった気がする…ちゃんと薬飲んでるかな。バイト休むくらいって、結構具合悪いんじゃ?
「あ、松島おはよ〜今日は急遽ごめんね、助かったよ」
「伊野尾くんおはようございます、全然大丈夫ですよ!」
「いのちゃん!」
「ん?どーしたのAちゃん」
「風磨、熱あるの?」
「ああ、うん。昨日電話きてさ、結構ツラそうだったけど」
大丈夫かなぁーアイツ、なんて言いながら店内を歩き回りながら掃除するいのちゃん。
バイトが終わったら風磨の所、行ってみようかなと思ったけれど、「夜ご飯、一緒に作って食べようね」と今朝笑って送り出してくれた健人くんの言葉が頭をよぎる。
『ああ、それがいいと思うよー。今後中島と付き合う事になったらアイツも良い気しないっしょ」』
それと同時に、蘇る風磨の言葉。
でも風邪引いてるんだもん、健人くんもそれならわかってくれるはず。そう思い、私は健人くんに一言連絡を入れてバイトが終わったら風磨の家へ行くことにした。
188人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時