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今日も私は彼に会いに来ている。


だけどそろそろお別れの時間…




「A、少し震えているな。寒いか?
今夜は冷え込むと今朝ラジオで言っていた。
そろそろ帰ったほうがいいかもしれない。
小官の上着を1枚貸そう。さあこれを着て」



そう言って着ていた上着を私に羽織らせ自分は半袖姿になってしまう。




「でも理鶯さんが寒くなっちゃうでしょ?いいよ、私は。大丈夫」


「小官は体温が高いから平気だ。気にせず使ってくれ。
さあ、遅くなり過ぎないうちに帰ろう」




また先に歩き出す彼の後ろ姿を見ながら私は唇をキュッと噛む
肩に掛かった上着は確かにまだその温もりを中に留めたままで、まるで彼に抱きしめられているかのような感覚に陥る。



でも、私が求めてるのは.......




私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれる彼。
チラリと目線を手元にやって、その大きな手を握りたいと思ってしまう。



「A、どうかしたか?
前を見ないと転んでしまうぞ」



「あ、うん…!」



____結局今夜も、私の願望は願望のままで終わってしまいそう




「ではA、暖かくして眠るんだぞ。」


「………………。」


「A?」


………理鶯さんの馬鹿


「どうした、具合でも悪いか?」



彼が私の事をいつも気遣ってくれるのはすごく嬉しい。優しい人だなって思うし、そんな所も大好きなんだけど、私は本当はもっと、




「…まだ一緒に居たい…………」


「しかし、明日も早いと」


「いい、遅くなっても寝不足になっても…、平気、。
理鶯さんと離れたくない…。」




今顔を上げたら涙目になっているのがバレてしまうから私は下を向いたまま彼の服の裾だけ小さく掴んで精一杯の気持ちを口にする



と、その時、服を掴んでいた私の手に彼の手が触れた
ハッとして顔を上げてしまう



「A、どうして泣きそうなのだ?何か辛い事でもあったのか?今日は少し元気がない様に感じたがが……。何かあったのなら小官に話してみろ」



そう心配そうに私の顔を覗き込む彼が優しく頬に触れるからついに涙が溢れてしまう



 

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3→←貴方に触れたくて 理鶯 1



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giku(プロフ) - AliceLilyさん» 次はサマトキサマなのです....りおーさん編で参考にさせて頂きますね!!コメントありがとうございまふ。! (2020年1月22日 10時) (レス) id: e31402caa7 (このIDを非表示/違反報告)
AliceLily(プロフ) - あ.......まふやない.......ますや。誤字りました (2020年1月14日 22時) (レス) id: 875e187db6 (このIDを非表示/違反報告)
AliceLily(プロフ) - 見ました〜!!!良かったですよ!銃兎さんやっべぇの.....次理鶯さんですよね?あの、本気で怒る理鶯さん見て見たいです.......gikuさんのヨコハマ三人はすごい口調とかもあっててほんとに本人みたいですね!尊敬してます!これからも頑張ってください!応援してまふ! (2020年1月14日 22時) (レス) id: 875e187db6 (このIDを非表示/違反報告)
giku(プロフ) - AliceLilyさん» コメントありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。順番的にも次が銃兎なのでもう少し待って頂ければ………!! (2020年1月5日 23時) (レス) id: 7b0eecce50 (このIDを非表示/違反報告)
AliceLily - 初めまして〜!見たけど最高でした!特に私の最推し銃兎さん.......!!!あ、リクエストって募集してましたっけ?してたなら、銃兎さんかいてほしいです。リクエスト募集してなければ無視してください (2020年1月5日 21時) (レス) id: 875e187db6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:giku | 作成日時:2019年10月7日 16時

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