もみ消して冬

13話 ページ14

秀作side

博文:えーじゃあ仮に居酒屋の店長がお店にお忍びで来たアイドルの話を家族に自慢するのはどうなんだ

秀作:アウトでしょ！

博文:そこはセーフだろ！お前、いいかさ？どの家庭にもな多かれ少なかれ職業の守秘義務ってもんは破られてるもんなんだよ

秀作:でも僕達が法を犯してもいいって訳にならないと思うけどそうだよね姉さん

知晶:いちいちうるせぇんだよ！

秀作:えー？

知晶:法律守ることがそんなに大事か？

A:だ…大事だよ！

いつの間に起きてたの？！

僕の記憶が確かなら姉さんの職業は弁護士だ

知晶:じゃあ目の前で父さんが車で連れさらわれても一般道であれば法律速度の60キロを守りながら追いかけろって言うのか？

秀作+A:そりゃ守るべきだよ

知晶:ﾁｯ車のエンジンをかける前に下に猫や物がないかタイヤの空気圧は問題ないか座席の位置は運転しやすい状態にあるか、シートベルトを締めてミラーで後方確認をしてから追いかけるのか？

知晶:追いかけてる途中に落石注意の標識を見たら父さんより落石に注意を払うのか？なあ聞いてんだよ

日本の皆さん聞いてください

姉さんは間違った事を言っています

交通ルールは守ってください

知晶:なあ黙ってないで黙って従うか従わないでなにか提案を出すかどっちかにしてくんない難癖つけて何にもしない奴が1番嫌いなんだよAは別だけど

えこひいきじゃないですか姉さん！

秀作:じゃあはい！僕にチャンスを下さい

博文+知晶+A:チャンス！？

秀作:相手の女性を説得します

知晶:あんたにそんなこと出来んの？

秀作:職場に説得のプロがいます

博文:説得のプロ？

秀作:この前アパートの引きこもり事件があったの覚えてる？

A:ニュースで見た

秀作:それ！リストラにヤケになった男が子供を人質にして立てこもった事件。犯人が説得に応じて人質も無傷で救出出来たあの事件

犯人『来るなー！』

尾関『母ちゃんと昔住んでた家にすごい似てるな』

ｶﾞﾁｬ

秀作:その犯人を説得したのが僕の可愛がってる後輩なんだ。実はその1ヶ月前のコンビニの立てこもり事件もそいつが説得したんだ

博文:だからその彼に彼女に説得をさせるわけにはいかんぞ

秀作:大丈夫、ノウハウを聞くだけだから


博文:いいかそいつに父さんのことばらすんじゃねぇぞ

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