[NARUTO]自称一般ピーポーが平和を目指して頑張る話[カゲプロ] (ページ20)

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化け物になるということページ20

Aside
「別れを告げに来たのだ」

自分自身の甘さと。そしてお前たちと。

【目を隠す】をもう使う必要はない。

「あ・・あんた、赤目の化け物・・」

サクラがサスケが、私を仲間だといった彼らがあからさまに怯えている。
彼らの前に立って殺気を飛ばすカカシも。

私を見て、そう”私の本当の姿”を見て、怯えている。

・・・そりゃそうだ。
そうだ、そうであったよ。

忘れていた。

「私は・・化け物であったな」

「なに、馬鹿なこと言ってんだっ！！Aは・・化け物なんかじゃねえっ！！！」

そうだ、こいつは例外であった。

私の前に立つ、いつの間にか私より大きくなってしまった背中を見る。
申し訳なさが心の中に広がっていく。

「私は・・お前を利用していたに過ぎんのだ」
静かに伝えると涙でぐちゃぐちゃでなった顔でくるりとふりむいた。

胸倉をつかまれる。

「なんで、そういうこというんだよ！Aも里の奴らと同じだってことかよ！！」

【なんで、なんで・・】
ナルトの私を恨む声が聞こえる。
ナルトのつかむ手に力が入った。

「そうだ。私はお前といることで、自分の愚かさから、救われようとしていたのだよ」

なんて冷たい声なのだ。

これが私の声なのか。

「私は家族が苦しんでいるのを知っても、それでも自分の幸せを欲する、自分中心のクズだよ」

「だから、こんなクズと優しいお前が、一緒にいてはいけないといったのだ」

止まることを知らぬ涙はどんどん、ナルトの顔を汚していく。

静かにナルトの頬に触れ、そのまま涙をぬぐった。

「・・きれいであるべきなのだ、愛する我が子のような存在であるお前なら、なおさらだ。」

【ふざけんな】

ナルトの声。

「ふざけんなよ、この馬鹿」

ナルトが私の手を握る。
「俺の好きなことは、Aと話すことだったんだ」

「俺の好きなことは、Aに頭を撫でられることだったんだ」

「俺が一番好きなことは、Aと馬鹿な日常を送ることだったんだ」

「だからいくらAが俺を遠ざけようとしようが、そんなの知ったこっちゃねえ」

「俺はAとずっと一緒にいたいんだから」

「なんでそう思ったのか、教えてくれよ」