横断歩道 4 ページ28
「え?何ですか??」
最後の一言がどうしても聞き取れなくて聞き直した。
『何でもなーい、ふふ』
むくりと起き上がると寝ぐせがついてふわふわした髪の毛がさらにもさもさになっている。
瞼はまだ重そうだけど、目は覚めているようだ。
「朝ごはんはどうするんですか?」
『ん?食べないよ、俺』
「え?ほんとですか?けど、食べなさそうです」
『あっは!...まぁこんな時間に起きてないからね』
確かに、遅くまで寝てそうなイメージがある。
「私はいつもコンビニですけど、食べますよ?」
『じゃあ今日もコンビニ?』
「はい...」
化粧が終わって、ポーチに化粧道具をしまいながら隣人を見た。
『じゃあそこまでついていこ』
そういうとむくっとベッドから出てテーブルにあったミネラルウォーターを一口飲んだ。
「私着替えてくるんで、ちょっと待っててください」
『えー見に行ってもいい?』
「は?////なっ...何言ってるんですか/////」
『はは、じょーだんじょーだん(笑)早くしてねー』
早くしてねーだなんてよく言ったものだ。
でも、隣人のそういうところもだんだん慣れつつあったし、一緒にいると、忙しい毎日から少しだけかけ離れたような気分になれる。
ほんとに不思議な人だ。
着替えが済んで隣人の待つリビングへ行くと、髪を簡単に直してソファに座ってスマホを見ている隣人。
「いきます...けど、大丈夫ですか?」
『...うん』
少しためらったような返事だったけど、気に留めず玄関に向かった。
何度か一緒に行き来したマンションのエレベーターとか、通路とかが隣人と一緒の風景に見慣れつつある。
「何か不思議な感じです」
『何が?』
「ほんとは一人で住んでるのに、そうじゃないみたい」
『ふふ、そだね』
通路の風がふわっと顔にあたってくすぐったい。
エレベーターのガラスに映る隣人と自分の姿にもなんか恥ずかしさもある。
「今日...外でご飯食べるんですか?」
『うん...家だと、また出前になっちゃうし...たまには』
エレベーターに乗り込むと、ドアが閉まって隣人と狭い空間に二人っきり。
緊張も前ほどしなくなった。
「早く仕事...とか、終わらせてきますね」
『うん...あ、でも急がなくていいよ。俺もそんなに早くは終わらない...から』
少し笑うとすぐ表情を元に戻した。
「シウ君...ですか?」
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このみ - すごく面白かったです!最近モンエクペンになったのですが、もっと好きになりました!更新お疲れさまでした!これからも頑張ってください!! (2017年11月12日 11時) (レス) id: 0ab0aad734 (このIDを非表示/違反報告)
おん - 感動をありがとうございましたすっごく面白かったです (2017年9月25日 9時) (レス) id: 7121d0579b (このIDを非表示/違反報告)
まなな - すごく良かったです(泣)すこし自分と重なる部分あったので、共感しぱなしです!!また、違う作品楽しみにしてます(σ≧▽≦)σ (2017年9月23日 11時) (レス) id: 000918fc8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - あおんさん» こんばんは!モンエク好きになりはじめたばかりだなんて!嬉しいです!モンエク是非もっと好きになってください( ; ; )私なんか好きになりすぎて妄想ヲタクになっちゃいましたから!(笑) (2017年9月23日 0時) (レス) id: 8f19cb71fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めばえさん» こんばんは!嬉しいコメントありがとうございます!blue moon自体お店の名前が思いつかなくてもねくの曲から選んだんですが、結果マッチしていてよかったです☆あと、お褒めの言葉勿体無いことばかりで( ; ; )ありがとうございます! (2017年9月23日 0時) (レス) id: 8f19cb71fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうな | 作成日時:2017年7月1日 0時