君とは違う【skt】

43.自分じゃダメ ページ45

坂田side


『悠！』

昼休みになり、Aを呼びに行こうかと思ったが、珍しく向こうから声をかけてきた。それも元気いっぱい

さ「おー昼飯行く？」

『行くに決まってんだろ』

さ「2人はどうしたん？」

『な、なんか用事あるってさ。それより、相川はどうしたんだ？』

さ「課題出してなくて、職員室でやらされてる」

『バカだな』


『このクッキー、今日の調理実習で作ったんだけど、食うか？』

さ「あ、お前のクラスだったのか」

実を言うと、さっきAが来る前に何人かの女の子からクッキーを手渡されたばかりだった

食べる気はなかったが、こいつのは貰おうかな

さ「じゃあこれ食べる？お前のクラスの子からもらったんだけど……」

『え!?』

すると申し訳なさそうな顔をして、差し出したクッキーをしまおうとする

『じゃ、じゃあいらないな。そもそもこれ俺が作ったって言うより、ほとんど一ノ瀬と浦田がやってくれたし……』

さ「いや、他の子からもらったクッキー食べる気無かったし、逆にこっち食べる」

そう言ってAのを受け取り、持ってたのを渡す

さ「美味しいやんこれ」

『だから作ったの俺じゃねえって』

さ「1人で作ったらどうなるん？」

『石炭ができる』

……そういや不器用だったわ

『うわ、このクッキー俺らのよりめっちゃ美味いわ……甘くないし、サクサクしてるし』

確かにこいつのは砂糖多めで、しっとりした感じやな。俺はこういうほうが好きやけど


『あのさ、』

さ「何？」

『あーいや、今日の夕飯何かなーって』

さ「……最近なんか隠してない？」

『そんなことは一切ない』

俺の勘違いかな？でも最近、俺の顔色を伺いながら会話をしているような気がする

『お前こそなんか変なこと隠してないよな？』

さ「なんや、変なことって」

別に、変なことは何も……言えないことはあるけど


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