君とは違う【skt】

42.ドリーマー ページ44

Aside


次の日の3.4時間目。調理実習がある

そ「クッキー作るんだね、告白には必須じゃん。夢小説って便利」

う「やめましょう」

はいはい、その夢小説だから、この2人とも当然同じ班ですよ

そ「じゃあ、A小麦粉計って。俺はバターとか砂糖とか計るから。浦田くん卵よろしく」

う「『了解』」


『なー、170gって大さじいくら?』

そ「計量カップ使えよ」

『バーって出ちゃうじゃん』

そ「じゃあちょっとずつ出したら」

『だから大さじスプーンで』

そ「……」

なんだその諦めたような目は

う「お前もしかして不器用？」

『そうだよ？』

う「……」

誇っちゃ悪いか。生まれてこの方不器用人生、包丁なんか持たせらんねえって言われたこともある

指切りまくる俺が悪いんだけどさ


そ「じゃあ計るの俺やるから、これ混ぜて？」

そしてボウルと泡だて器を渡される。これくらいならできる

う「坂田だし、甘めにする？」

『それが好きなら』

う「はいよ」

浦田の俺への態度が大分変わった気がする。前みたいに口喧嘩はするが、こんな風な会話もできるようになった

う「何見てんの？」

『いや、別に』

そ「混ぜ終わった？じゃあ小麦粉入れるから、このヘラでさっくり混ぜて」

『なんださっくりって？混ぜるに擬音とかあんの？ガチャガチャくらいしかねえだろ』

そ「うらたくんパス」

う「うん」

あ、完全諦められた。見放されたよこれ


『あ、美味い』

自分で作って食べれるものになったの久々……カップラーメン以来かも

う「ほとんど俺と彼方さんだけどな」

そ「まあでもちょっとは自信付いたでしょ。これ残しとくから坂田に渡しとけよ」

たしかに少しだけ料理に対する苦手意識が消えた気はする

そ「坂田に弁当でも作ってあげてみたら？」

『そんなんゴミの詰め合わせと化すからダメだ』

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