君に未練など無いはずだった【佐野万次郎】

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あの人、もう何日家に帰ってきていないんだっけ?







確か、「大事な用事がある」とか何とか言ってたような…













『マイキー、変わったね』






暗い部屋で呟く私。その一言に反応する君なんて、もういない。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


周(あまね)A、27歳。




一応マイキーの“嫁”という事になってる。





彼とは中三の夏ごろに出会い、それから徐々に仲良くなって、恋愛関係まで発展した。





付き合った当初は優しくて頼りがいがあって。





まだ若くて無知だった私は、彼にどんどん溺れていった。











＿＿＿＿＿＿＿でも、気づいたら周りに人はいなくなった。










なので、そのまま何をするにもマイキーに合わせていったら









「佐野万次郎の嫁」という肩書きだけが残ったんだ。














…だけど、実際愛情など微塵も感じない。







主人の帰ってこない部屋で、置きっぱなしの大金だけを消費して生きている。











そして、彼はたまに帰って来ては私を“道具”として使って何処かへふらつく。








もちろん私の体調なども考えずに扱うんだ。













『まだあの頃は良かったよ…』











悔やんでも悔やんでも中学生時代に戻れやしない。








だからといって、一生愛も受けない道具のままなの？











＿＿＿＿＿＿＿＿＿それは嫌だ。















でも、弱くて一人では何も出来ない私は















今日も踏み出せずに、昔のマイキーの影を追いかけながら















だだっ広い部屋で帰りを待つんだ。







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胸糞回には＊を付けさせていただきます。

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