不機嫌 ページ9
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引き継ぎ作業を
今日は翔太先輩と2人で終わらした
「お疲れしたー！」
「お疲れ様です。」
店長に挨拶してお店を出た
「送ってくよ」
決まり文句のように
翔太先輩が私の前を歩いた
一緒の時間に上がるときは
決まって私を送ってくれる
ほんっとに、優しい先輩。
「もうすっかり冬だな。」
「寒いですね…」
空を見上げながら返した。
冬の夜は
とっても寒いけど
なんか、すきで
こうして夜に外を歩くのが
実は、楽しくてすきだったりする
「楽しそうだなぁ？(笑)」
私を見て翔太先輩が笑った
「夜のお散歩、すきなんです」
歩幅を合わせて歩いてくれる
先輩に心があたたかくなった
「バイト帰りが
Aにとっちゃお散歩なんだ？」
くすっと笑って私の手を取った
「手、真っ赤じゃん」
冷たい私の手に困ったように私をみた
「寒いのすきだし、大丈夫ですよ？」
「変なやつー(笑)」
ちょっとドキッとしちゃって
誤魔化すように
咄嗟に手をポッケの中に入れて
前を見て歩こうとしたら
「あ…」
前方から歩いてきたのは和也で
寒そうに縮こまってるせいで
猫背がさらに猫背に見える
「和也！」
和也はとっくに
私に気づいてたみたいで
なぜか少し不機嫌そうに見えた
「 コンビニいくけど。」
翔太先輩にぺこっと
小さくお辞儀してから
いつもより低めの声で私に言うから
「私もいく！」
少し心配になって
翔太先輩にお礼を言って
少しずつ遠のく和也の後を追った
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作者名：べに | 作成日時：2016年12月22日 20時
