羨ましい ページ17
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遊園地に来るときは
決まって和也と一緒だった
和也はあんまり
激しい乗り物系が得意じゃなくて。
友達と何人かで来たときも
和也は絶叫系嫌いなのを知ってたから
みんなに
ジェットコースター乗ろう！
って言われても
私はいいや、って断ったし
そんな私を見て
「俺は大丈夫だから一緒に乗るぞ」
って気を使う和也に
私も嫌い、って
バレバレの嘘をついて
2人で乗らないのがお決まりだった
「和也、あ、えと…私の幼馴染が乗り物得意じゃなくって…」
「あ、こないだの？」
「はい、和也は生まれた時からずっと一緒にいるんです。なにをするときも大体。」
懐かしいなぁ
最後に遊園地にきた時は
確か中学2年の夏休みで
アイスクリームを食べてたときに
それに夢中になって
足元の段差に気づかなくて
ド派手に転んだ私を見て
和也に爆笑されたことがあった
「和也が乗り物が苦手だと、必然と私も絶叫系とかは乗らなかったし…
一度だけ乗ったことがあったんです友達と和也と、みんなで。でも、和也が心配で私ずっと和也を見張ってたから…あんまりジェットコースターがどんなのだったか覚えてなくって(笑)」
そうそう、
そのあと気持ち悪そうにする
和也をみて
もう絶対に和也には乗らせない
って決めたんだよね
「あっ…すいません…笑」
話し終えて
つい話し込んじゃったな…って
申し訳なくなった
「大切なんだね？その、和也くん？のこと」
切なそうに笑う翔太先輩をみて
クリスマスの日の
和也のぎこちない笑顔が
頭に浮かんだ
「大切、っていうか、ずっと一緒にいるし…」
「フツーに、俺、和也くんがうらやましい」
真っ直ぐな目で翔太先輩は言った
男の人に
こうやって好意を持たれることが
久しぶりのせいか
すごく恥ずかしくて
ドキドキしたし
どう対応したらいいかも
全然わかんなくって。
なんだか無性に和也に会いたくなった
和也にあって
意地悪な笑顔が見たくなった
「羨ましいなんて…そんな…」
なんて返事したらいいかわかんなくて
黙り込むと
「じゃあ今日は絶叫系も楽しもう？」
そう言って
繋がれた手を引っ張って
ジェットコースターの列の方へ
一緒に走った
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作者名：べに | 作成日時：2016年12月22日 20時
