プレゼント ページ13
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いつものように
引き継ぎ作業を2人でして
お店を出た
今の時間は午後5時。
和也は合鍵を持ってるから
きっともう私の家にいるはずで
6時には帰る、と言ったから
そのぐらいには帰らなきゃいけない。
「あの…どこか行くんですか？」
少し遠慮気味に先輩に聞いた
「んー、すぐそこの公園いこっか」
高木書店からすぐ近くの
ちっさな公園に向かった。
「誰もいないな。」
「ですね(笑)」
2人でくすっと笑って
そこにあった木のベンチに
間に一人分空けて腰掛けた
そしたらすぐに
翔太先輩が鞄の中をゴゾゴゾと
漁り始めた
？マークを浮かべながら
黙って先輩を見ていた
「はい、これ俺からのクリスマスプレゼント」
にかっと爽やかな笑顔を見せて
私に赤色の包装袋を渡してきた
「え…？私…に？ですか？？」
なんで私に？？
疑問だらけで、
思わず固まってしまった
「開けてみて？」
あまりにも楽しそうな
目をするから
黙ってラッピングを取った
「わぁ…可愛い…！」
中に入ってたのは
手袋で
とてもモコモコしてて
あったかそう
「いいんですか…？」
私は何にもプレゼントなんて
用意してないし
申し訳なさすぎた。
「この間の帰り道さ、Aの手が冷たいの思い出してプレゼントしたかったの」
首元を触りながら
恥ずかしそうに笑った
誰にでも優しい翔太先輩だから…
きっと私にも
こうして気を遣ってくれたのかな…？
「ありがとうございます…でも、私何も用意してない…」
可愛い手袋を見てから
翔太先輩を見た
「じゃあさ…」
翔太先輩がちょっとだけ
言いづらそうに私を見た
「来週の水曜日さ、デートしない？」
急な展開に、びっくりした
なんで私なんかと…？
デート、って
デート…だよね？
「え、っと…」
ちょっと困ったような顔した私に
「ま、火曜までにまた俺に返事、ラインでも電話でもいいから聞かせて？寒いし今日は帰ろっか」
そう言って私の手を取った
先輩と歩きながらも
ずっと、
ドキドキしてて
さりげなく手を繋がれたもんだから
ドキドキが伝わってませんように…
ってひたすら願った
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作者名：べに | 作成日時：2016年12月22日 20時
