9年目〜神様どうして〜 ページ18
---光忠side---
「沙織さん!!鶴さんの意識が戻ったって………!!」
病院に着き、僕は大急ぎで鶴さんの病室に向かった。
きっと、その時の僕は
病室の扉を勢いよく開け、ベッドの上にいる鶴さんのもとへ駆け寄る。
『鶴丸さんが意識を取り戻した』と沙織さんから連絡がきたのは10分ほど前。
1年前、鶴さんは事故に遭った。
信号無視をした車によって、鶴さんは轢かれたのだ。
その後、運転手は逮捕されたが、鶴さんは今日までの間ずっと意識がないままだった。
(やっと………やっと、久しぶりに鶴さんの顔が見れる………!!)
「あっ、光忠さん!!鶴丸さん、実は………!!」
何かを制止するような沙織さんの声を押し退けるように、僕は鶴さんに話しかけた。
「鶴さん、鶴さん!!ようやく目覚めたんだね!!僕、この1年間ずっと不安で………」
捲し立てるように話す僕を、鶴さんはどこか恐れているような表情で見ていた。
………『恐れている』?
______そういえば、
病室に入ってきてから、いつものように明るい鶴さんを見ていない。
病み上がり、と言えばそれまでなのだが、どこかおかしい。
僕は、沙織さんに何があったのかを聞こうとした。
「………ごめんなさい。ごめんなさい、光忠さん………」
沙織さんは、酷く悲しそうな顔をして、絞り出すように言う。
困惑している僕を尻目に、鶴さんはこう言った。
「………すまん。きみは誰だ?」
困ったような笑みで、はっきりと言ったその言葉は、僕の耳にはっきり届いた。
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燭「赤いリップだよ。格好良く決めたいよね!」
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笑羽 - 梅歌さん» コメントありがとうございます!!ログインできました(*^_^*)更新頑張りますよ〜 (2020年5月8日 15時) (レス) id: 0e96abb413 (このIDを非表示/違反報告)
梅歌(プロフ) - こんにちはっ!これはあの曲ですな(名前出さないけど)!ログインできました?更新頑張ってください( ˙-˙ )! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 5c54cadbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笑羽 | 作成日時:2020年2月16日 18時