* 赤葦 京治 ページ5
.
『京治、お風呂上がったよ』
「ん、こっちおいで」
ソファに座っている京治が隣の空いてるスペースを軽く叩く。
そこに座ってタオルを渡すと 頭から被せてわしゃわしゃと拭いてくれる。タオルの柔軟剤の匂いがふわりと香った。
『…京治、いたい。もうちょい優しくして』
「文句言うなよ、ほっといたらそのまま寝るだろ」
『まあそうだけど』
「風邪引くし乾かさないと痛むぞ、髪」
高校を卒業しても相変わらずの面倒見の良さは健在で。んー、と適当に返事をしていると ドライヤーの電源を入れる京治。ドライヤー特有の音がして騒がしくなる。
「後ろ向いて」
『はーい』
先程とは打って変わって優しい手つきで髪を乾かしてくれる京治。
乾いてくると最後はブローまでしてくれるのだから、持つべきものは赤葦京治だなと変なことを考える。
「シャンプー新しいのにしたんだっけ」
『うん、どう?』
「いい匂いするよ。好き、この匂い」
カチ、とドライヤーのスイッチを切る音がして しんと静まる部屋。
不意に肩に手を置かれたかと思うと 右側の髪の毛が耳にかけられた。
耳元で吐息が聞こえて腰の辺りがぞわぞわする。
「襲いたくなる」
『…へ、』
「___って、言ったらどうする?」
後からくすくすと笑う声がする。
京治のせいで心臓はばくばくと鼓動を速め 囁かれた右耳はぶわっと熱くなる。
「…あれ、満更でもない感じ?」
『うるさいんですけど』
「耳まで赤くしちゃって」
『ほんとにうるさい』
顔を覗き込んでくる京治をばしばしと叩くと 悪かったって全然反省してないような声で平謝り。
軽く睨むと 京治は楽しそうに目を細めて私の頬を撫でる。
「俺も風呂行ってくるね」
『…ん』
「ご機嫌斜め?」
『誰のせいだと思ってるの』
「さあ?」
京治は私の前髪を上げて ちゅ、と唇を落とすと 余裕そうな笑みを浮かべてまた耳元に口を寄せる。
「…風呂上がったら、わかってるよね」
『え、あ、』
またくすくすと笑いながら 京治はバスルームへと向かって行った。
心臓のどきどきは、止まらないまま。
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( あー、かわいすぎるって )
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しもこ - ごめんなさい書くところ間違えました (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
しもこ - 可能なら角名くんお願いします!好きです (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
ところねん - あああ北さんやばいようううう (2020年5月16日 2時) (レス) id: 60873799bf (このIDを非表示/違反報告)
。 - もし可能でしたら、照島くんお待ちしてます... (2020年2月16日 13時) (レス) id: 677789c7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ジンベエザメ - いやー青春だねぇ…甘酸っぱ リクエストで古森くんできますかね?井闥山の (2020年2月16日 13時) (レス) id: b58d786d51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月埜 | 作成日時:2019年10月18日 21時