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* 天童 覚 ページ11

.









「アレ、Aチャンって本読むような人だったっけ?」


『あ、天童じゃん。まーね、読書の秋って言うじゃん?』


「ああ なるほどネ」









天童は前の席に座ると私の手元を覗き込む。


普段漫画しか読まないという天童は、漢字がいっぱい並んだ手元の本を見て 「頭が痛くなっちゃうヨ〜…」とこめかみの辺りを押さえる。




かくいう私も普段漫画しか読まないので そろそろこの難しい内容にも飽きてきてしまった頃。









「読書よりさー、やっぱり食欲の秋じゃない?」









そう言ってもぞもぞポケットを漁って 差し出されたのはかわいい包みのチョコレート。


いいの?と首を傾げれば ニコニコとそれを握らされたので有難く受け取る。









『これ苺味だ、おいしい』


「んふふ、よかった!」


『ありがと、天童』









何かお礼をと思って ポケットや鞄を漁るが、あいにく今は何も持ち合わせていない。


それがわかったのか、天童は「別にいいヨ〜」ってにこーっと目を細めながら頬杖を付く。









『ごめんね、今度持ってくるから』


「ん〜?じゃあお礼にココ貰っちゃおうかな」


『へ、』









天童は机の上に置いていた先程の本を 私の顔の真横に立てて持ってくる。


本に気を取られているとぐいっと顎を持って正面を向かされて。




ちゅってかわいらしいリップ音が私と天童の間で鳴る。









「顔真っ赤だネ?」









戸惑う私を見て、口元に手を当てて笑う天童。


そんな天童もよく見れば頬が赤い。




天童もじゃん、と言い返す前に いつの間にか現れた牛島が天童を呼ぶ。









「…天童、ちょっといいか」


「ああ若利クン」


「話をしているところすまない」


「大丈夫大丈夫〜!じゃあね、Aチャン」









そう言ってヒラヒラ手を振り 天童はその場を去った。




私は本で隠されていた方と反対側をちらりと見る。


窓側だからまだ良かったんだけど、ここ1階だし外生徒通るし。


___誰かに見られてたら私しんじゃうなあ、なんて。









.









( あ、A先輩。この前天童さんとちゅーしてましたよね )


( か、川西くん!? ちょっとその記憶忘れようか!! )


( 手刀構えるのやめて貰えませんか )

* 角名 倫太郎→←* 花巻 貴大



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作品ジャンル:アニメ
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しもこ - ごめんなさい書くところ間違えました  (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
しもこ - 可能なら角名くんお願いします!好きです (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
ところねん - あああ北さんやばいようううう (2020年5月16日 2時) (レス) id: 60873799bf (このIDを非表示/違反報告)
- もし可能でしたら、照島くんお待ちしてます... (2020年2月16日 13時) (レス) id: 677789c7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ジンベエザメ - いやー青春だねぇ…甘酸っぱ    リクエストで古森くんできますかね?井闥山の (2020年2月16日 13時) (レス) id: b58d786d51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月埜 | 作成日時:2019年10月18日 21時

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