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[これからは仕事以外で会うのはやめよう。]
そう送った日、
玉森裕太から返事が来てたけどずっと無視していた。
きっと彼もめんどくさい事は嫌いだろうし、
返事が来ないからってどうってことないと思う。
今日の撮影は久しぶりに玉森裕太と一緒。
すこーし重たい足取りで現場に来た。
今日はけんちゃんも居たらしいんだけど、別のメイクさんにメイクを施してもらってスタジオに入った。
スケジュールの関係でわたしよりも早く撮影が始まっていたみたいで、玉森裕太はすでに撮影中。
久しぶりに顔を合わせる玉森裕太。
連絡も無視していたしちょっと気まずい。
それでも
「おはようございます〜よろしくお願いします!」
と、いつも通りを装って挨拶したら、
「よろしくお願いしま〜す」
なんてゆるーい返事。
やっぱりわたしのことなんか
気にもしていないみたい。
そりゃ櫻井さんと付き合ってるんだし
都合のいい関係だったわたしなんかどうでもいいはず。
それから、いつも通り順調に撮影は進み
わたしより先にソロショットを撮り終えていた玉森裕太はもう帰るみたい。
「お疲れっした〜」
そういって目も合わせずスタジオを出て行った。
玉森裕太が帰ったあと、わたしは30分くらいソロショットの撮影。
この間、撮影を止めて迷惑をかけてしまった分頑張らなきゃ。
あの時怒られたカメラマンさんにも
「今日よかったよ!すっきりした顔してた!」
なんて言われた。
もやもやする気持ちもあるけど
彼にちゃんと恋人ができたおかげで、都合のいい関係が終わったからすっきりした顔つきになったのかしら。
なんて寂しくもなるけど、もう過去は振り返ってもしょうがない。
玉森裕太がわたしと目を合わさなくなったように
わたしも玉森裕太を追うのはやめなきゃ。
それなのに、「ロクでもない男」は
わたしの胸を揺らす。
撮影を終え楽屋に戻る最中の廊下。
目の前に腕組みをして立ってる玉森裕太がいたから。
無視しようと思ったのに
「おい」
なんて声をかけるから。
わたしはいまも沼に嵌ったまま。
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作者名:えむたま | 作成日時:2020年5月26日 2時