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61 Yuta side ページ11

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Aから突然、
[これからは仕事以外で会うのはやめよう。]
と連絡が来た。





俺もAのためにそうしたほうがいいのかな…
って思っていたところだったけど、突然すぎて驚く。





[なに、急にどしたの?]




そう送ったけど、Aから返事が来ることはなかった。




それから数日して、Aと仕事が一緒の日。




今日の俺のメイク担当はけんちゃん。
最近けんちゃんにメイクしてもらうことなかったから久しぶり。




ささっとメイクしてもらって、ちょっとAと話そうかな〜。




メイク室に入ると
「いや〜ん!玉森くん〜!久しぶりじゃない!」
と、いつも通りハイテンションなけんちゃん。




「おはよ、けんちゃん。」





けんちゃんが俺にメイクカバーをかけながら
「ちょっと聞きたいことあるんだけど〜」
ってにやにやしている。





「ん?なに?」





「付き合うことになったんでしょ〜!もう〜!」





ん?付き合う?
なんの話?





「え、俺が?」




「ほかに誰がいるのよ!」




「なにその話?俺知らないんだけど…」




え?Aのこと?
バレてたとかないよね?
いや、そもそも付き合ってはないし…





「やだ〜とぼけちゃって!理央よ理央〜!」




え、まさかのそっち?
それこそ断ったばっかなんだけど…





「…理央?」




「理央言ってたわよ〜!」




まじでついていけない。
なんの話してんだ?




「なんの話それ?」




「この前理央が言いに来たのよ〜」




「はっ?言いに来たってなに?」




「あたしがAにメイクしてたら理央が言いに来たのよ〜
玉森くんと付き合ってるって!」




え?Aに言いに来た…?




「俺たち付き合ってなんかないんだけど…」




「えっ!理央言ってたのに!?
照れ隠しでしょ〜もう!」




「いや、ほんとに。前に付き合ってたけどもうとっくの昔に別れたし…」




こんがらがってる俺の頭の中。




「より戻したってのは…」




「いや、戻してなんかないよ。
むしろ断ったし…」




「じゃあ、理央は…」




「…嘘ついてる、と思う。」





鏡越しにけんちゃんがびっくりした顔してるのがわかる。




「…Aちゃん、傷付いてると思う。」





「うん、けんちゃんメイク早めに仕上げて。」




頭こんがらがったままだけど、
とにかく今はAの話聞かなきゃ。

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作者名:えむたま | 作成日時:2020年5月26日 2時

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