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episode.41 ページ2

[Aside]


もう8年近くも前の話になる。



私は高校デビューに失敗した。




それもその筈、

スカート丈は短く切り、
髪は眩しいほどの金に染め、
数え切れないほどのピアスをつけて入学式に臨んだのだ。



まったく馬鹿としか言いようのない高校一年生初日だった。




当時の自分に何か一つ出来ることがあるのならば、


兎にも角にも一発殴らせていただきたい。





勿論、当人はそれがイケてると思っていたし、

両親の仕事の都合で高校3年間は東京に住む親類に世話になることになっていたために、叱られることもなかったのだ。




これだけならまだ救いようがあったのかもしれない。

田舎のクソガキが高校でイキったギャルになっちゃった、なんてことはよくある話だろう。












しかし、だ。


入学して少し経った日の朝。

遅刻ギリギリの時間帯にも関わらず、欠伸を漏らしながら通学路を歩いていたところ、

路地裏でご老人に金をたかる不届き者を見つけてしまった。



田舎っぺの私には、過疎の進んだ地元にいるお爺ちゃんお婆ちゃん達と同じ歳くらいのご老人をみすみす見殺しには出来なかったのだ。




そして、なにを血迷ったか。


気づいた時には殴り殴られの大乱闘。


田舎で畑仕事を手伝っていたお陰なのか、無駄に力強いパンチが相手の鳩尾に入ったところで、

私はようやく正気に戻ったようだった。



私はご老人を守ろうとした側であったため、2週間の謹慎で事は済んだが。




殴った相手が同じ学校の不良グループのリーダーの男だったというのが運の尽きだったようだ。


入学早々、喧嘩沙汰を起こし先輩を敵に回したとなれば友達の1人さえ出来るわけがなかった。




田舎から出てきた私に幼馴染もクソもあったもんではないし、

高校3年間の青春を呆気なく無駄にしてしまったことを後悔していた。



そんなある日、


?「…Aちゃん、だよね?」


高校生活の中で初めて名前を呼ばれたのだ。


端正だが、笑うとふにゃりと天使の様に綻ぶ女の子に。



優しく響くその声は、


私を恐れているわけでもなく、気を遣っているわけでもなかったようだった。




トト「私ね、弱井トト子っていうの!お友達になろう!」




高校生活最初で最後の友達だった。
















その親友の声が、今確かに、聞こえたような気がするのだ。




『と、トト子…?』



?「!!…Aっ!」



本当に、こんな事が起きるのだろうか?

(小話)→←Setting



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ライネ@低燃費(プロフ) - 待って末世! (2016年12月5日 23時) (レス) id: a1ed062329 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜(プロフ) - 更新停止なんすか??早く続きみたいよ〜(´Д⊂ヽ (2016年7月26日 17時) (レス) id: 1a8cce0500 (このIDを非表示/違反報告)
なちか*(プロフ) - 1章から見ました!!面白かったです!!!更新楽しみにしてます! (2016年5月9日 23時) (レス) id: 40763940b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2016年4月30日 20時

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