【wrwrd!】あの、勘弁してください… (ページ12)

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12話うわーやられたーページ12

「この国の事は知っとったん？」
「は、はい……と言っても一般知識程度ですが……」
「ふーん、あ、このパスタ美味いで？」

そう言って皿に盛られたパスタとフォークを押し付けてくる。
え、何この孤独な立食パーティー。
他の3人は食べないの？

「ゾムとシャオロンから話は聞いている」
「……え」

ゾム君とシャオロン君から話を聞いている？
やっぱり関係者なのか、あんな子供なのに……？

「まぁ、とりあえず食べながら話を聞いていてくれ。腹が減っているのだろう？」
「は、はぁ。ありがとうございます…？」

よりにもよってパスタか、と思いつつご好意に甘えて一口。
え、なにこれうっま。

「ゾムとシャオロン、二人の正体について気になったと思う。ここまで送り届けてもらった礼に教えよう、あいつらは暗殺者だ」

ごふっと吹き出しそうになる。
だめだ流石に汚い落ち着けー落ち着けー。

「大丈夫？」
「すみません汚くて…！……と、いうか暗殺者、ですか？彼らはまだ子供では？」
「そう、それなんやけどな」

言葉を濁し始めたので、もう一口だけパスタを頂く。
うん、美味しい。
出来ればこの美味しさで今の混乱を何とかしてくれないかなって思ったんだけど、こんな空気でご飯食べてる自体もう落ち着いてないよね。
飲み込んだのと同時に、話していた男の人と視線が合った。

「あいつらはとっくに……って、あぁ。……その前に」

何か納得したかのように、満足気に笑って頷いた。
え、急に何？なんなの？その前に何？
その途端、視界かふらっと傾いた。

……うん？

「疲れてるんとちゃう？」

ニヤリと笑われ放たれたその言葉に悪意を感じ、思わず鳥肌がたつ。
違う、これは単なる気遣いの言葉じゃない。
本能で逃げ出そうとして後ずさると足が思うように行かず縺れる。
そのまま体が傾いてエーミールさんに抱きとめられた。
これは、薬を盛られたか。
何とか瞼を開けようとするも、体は抱きとめられたまま動かない。

「休んでからでも遅くないやろ？」

んなわけあるか絶対に裏があるに決まっている！
そんな強い意志とは裏腹に瞼は完全に閉じ、体が軽くなった気がした。