紅茶はお好みで ページ10
英智side
英「……そう、そんなことがあったんだね」
『あぁ、英智はどう思う？』
英「そうだね…、唐突に訳のわからない話しをされて、されたままで何も分からずAに帰られたら……、モヤモヤするよね」
『うむ…、そうだよな』
それより、この奇人に恋人が出来たことのほうが気になるけど、悩んでいる君に紅茶を入れようか。
英「ほら、どうぞ」
『…ありがとう、英智』
英「いいえ」
少し紅茶を飲んで、息抜きをする。でも、Aの表情は良くない。
Aに、そんな暗い顔は似合わないよ？
『そろそろfineに戻った方がいいか…？』
英「君次第だよ」
『やっぱり、俺はfineに戻りたい…fineが好きだ…』
『何より俺のファンの人もいてくれた…、伏見や姫宮にも心配させちゃったから…どうしようもない先輩だけど……』
『ただ、俺があの事件を起こしちゃったから……』
英智「違う。その事件はAが悪いんじゃない」
『英智…。俺が知らない奴等に拉致されて、殺されそうになった時にお前が来てくれなきゃ……俺は……今………』
何故か、涙が溢れてきた。
涙を流すことなんていつぶりだろう。
ただ静かに、何も言わず優しく英智に抱きしめられる。
英智「A、よく聞いて。体験したそれはとても辛い過去だろう。でも、それより未来を見てほしい。Aにはすばらしい未来がある。未来には僕も、fineの皆…それから真白くん。もっと君の才能を羽ばたかせてほしい」
『英智……』
英智「僕と一緒に歩こう？」
そうだよね。
どうせそんなの、過去の話しだ。
もっと俺は羽ばたきたい！！
生きたい！！輝きたい！！
『俺はfineに戻るよ、英智』
英智「お帰り、A」
『ああ、ただいま』
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作者名：め | 作成日時：2017年10月14日 14時
