寄せ集めの僕ら。 (ページ23)

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19話ページ23

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｢ちょっと智！あんた本当なの？！｣

｢うっせーよ母ちゃん…いちいち嘘書かねえ｣

慌てて母さんにSkyp〇を繋げて智くんのことを報告。びっくりして開いた口が塞がらない様子の母さんは、智くんに何度も何度も同じことを聞いていた。

｢いーじゃん。俺勉強嫌いなんだよ。｣

｢だからってあんた、高校行かなくて後先困るのはあんたなのよ？！｣

智くんを必死の形相で説得しながら、俺の後ろで母さんに手を振るちびっ子3人に笑顔で手を振る母さん。感情の起伏が激しくて忙しそう。
智くんが勉強嫌いなのはよく知ってる(成績も俺が一緒に勉強しないとダダ下がりになる)けど、高校に行きたがらない程なんて…。

…でも、あれ？

｢ねえ、智くん。美術専門の高校は？｣

智くんは美術部で、ちょくちょく絵をコンクールに出しては入賞してる。家でもよく描いてるから、てっきりそういう系の学校に行くと思ってた…。

｢…別にそういうの、いい。俺のことなんだから勝手にさせろよ｣

｢あ、智くん…。｣

進路調査票を持って、自分の部屋に行ってしまった智くん。困惑の表情を見せていた母さんは、俺の方を見てぽつぽつと呟いた。

｢翔…智を説得してくれない？私は今近くに行けないし、翔の言うことなら聞いてくれるかもしれない…。｣

母さんも、智くんが絵を好きなこと、コンクールで入賞してることを知ってる。賞状を見せたらめちゃくちゃ喜んでたから。母さんもその方向で考えてただろうから、かなり驚いたんだろう。

｢…わかった。できることはやってみる。｣

そして届いていたピザを食べ始めていた3人に母さんを譲って、何枚かピザを皿に取って智くんの部屋に向かった。
こんこんとノックをしても、返事がない。きっと機嫌が悪いんだろう。そっとドアを開けてピザを中に置いてから、ゆっくりドアを閉じた。

説得…どうすればいいんだろう。