キモチ (ページ4)

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「わたし、トイレ行ってくるね」

『ん、じゃあ外で待っとく』

あらんと買い物に出掛けた。

トイレに寄り、あ～リップ落ちたな～
なんて思いながら最近買った、
お気に入りの色のリップを付け直す。

「あ…れ？」

トイレから出て
あらんのところに向かおうとすると
あらんと他に男の人2人のシルエット

「あれ、七五三掛くん…？」

後ろから見てもわかるぐらい
小さな頭、そして明るめの髪

『あ！A！』

あらんはわたしに気付くと
大げさに手を振った

七五三掛くん…と
背の高い男の人が1人

『これ、森田美勇人！
中学の時の同級生でさ！
さっきばったり！』

「おい！あらん！
これはないだろこれは！！」

「あ、阿部Aです」

みゅーと、

変わった名前だなあ、
そう思いながらも
隣にいる七五三掛くんに意識が
集中してしまって
喋り方のぎこちなさが自分でも分かる

『あと！Aの好きなしめ！』

「え？」

あらん！！！

よくも言ってくれたな！！！

心でそう強く思いながら
冷静を装った

ん？

てか今しめって言った？
いつの間に仲良くなったの？

昨日は喋ったこともない、って言ってたのに

そんなことを考えて
俯くわたしに、
七五三掛くんは目線を合わせてくれた

「Aちゃん、
よろしくね、俺のことはしめって呼んで」

七五三掛くんの声を聞いたのは
2回目。

とても響く声でちょっと高めだな、
って思った。

それと同時にニコッ、とする顔が
とってもかわいい

ほんとにほんとに、可愛すぎる

「いや、でも驚いたよ
まさかあらんとしめが
同じ専門だったなんて」

なんともかわいい
ひらがな喋りのみゅーと君

七五三掛くんとみゅーと君は
高校時代の同級生らしい

高校卒業してから
就職をしたらしいけど
未だに仲良しの七五三掛くんとは
よく会ってるみたいで

「せっかくだし、
4人で飯でも食う？」

『俺アイス食いたい』