文章越しの君に

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少し歩いたところでそっと手が離れる。隣を歩く友香梨は、私の方を見ずに言った。

「雅くんと連絡とれてないんでしょ」

ビックリして友香梨を見るけど、友香梨はただ前を見てるだけだった。

「友香梨はなんでもお見通しだね」

あのあと、気まずくなって何も送れていない。忙しいだろうし、とか、疲れたし、とか、迷惑にならないように、とか、自分でも思うほどに都合の良い言い訳を使って。そもそも、和田さんから来ないのだから、出来っこない。

「きっとさぁ、気まずいとかでなんか適当な理由つけて送ってないんだろうけど、そんなに寂しいならすれば良いじゃん。迷惑？LINEなんていつでも見られるんだから、都合の良いときに見るでしょ。雅くんから来ないから？待ってたってAの望むようになりっこないよ。向こうだって気を使うだろうし、それこそ舞台を終えて疲れてるだろうし。」

言ってないのにそこまで全部分かってしまう友香梨に少し恐怖すら感じる。でも、どれも核心をついているから何も言い返せない。言い返そうとも思わない。

「分かってるけど、やっぱり、怖くて,,,,,,。最初は、友達？が出来たって思ってたけど、好きだって気付いてから、今までよりも、迷惑をかけないように、とか、せめて関係が悪くならないように、とか考えちゃって,,,,,,。」

そう言って友香梨を見ると友香梨も私を見上げていた。

「うん、そっか。」

ニコリと微笑んだ友香梨。続けて話す。
　
「でも、やっぱり、好き、みたいだから、お話もしたいし、また、会いたいなって」

そう言うと友香梨はすごい笑顔になった。

「うん！それでよし！私が居てあげるから雅くんにLINE送ってみな！ほらっ、そこのコンビニでコーヒー買って、飲みながら考えよ！」

そう言って私は友香梨に背中を押されながらコンビニに入った。

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