episode２２ ページ24
──もーいいかい
──まぁだだよ
──もーいいかい
──もぉいいよ
公園には小さな子供たちの元気な声が響いている。
中学二年生の私は、「あー若いっていいなあ」なんてことを思う。
ひとりブランコに揺られながら、子供たちの様子を見て、なんだかほっこりしている私も、まだまだ若くて、小さくて、未熟だ。
日がだんだんと沈んでくると、きまって"あのお姉さん"がやってくる。
それは今日も例外ではなくて、いつものようにひょっこりと公園に顔を出しては、子供たちに笑顔で話しかけた。
──こんにちは。今日はかくれんぼをしているの？
今思えば大学生くらいの女の人。
黒くて艶のある長い髪の毛が印象的だった。
特別美人、というわけではなかったけれど、人を惹きつけるようなオーラがあって、この公園に来るようになってからすぐに子供たちと仲良くなったらしい。
中二のころ、ふらっと家の近所の公園に足を運んだら、小さな公園の中にさらに小さな人の輪ができていて。
なんだろうと思ってのぞいたら子供たちに囲まれてひとりの女の人が何か話していた。
内容はあまり覚えていなかったし、話を聞いていた子たちもきっと中身は理解していなかったのかもしれないけれど。
ころころと変わるお姉さんの表情についつい惹き込まれ、みんなして話を聞いていた。
話し終わると「今日も聞いてくれてありがとう」と鞄の中からお菓子を取り出して子供たちに配っていた。
私はなんだか場違いだなと思ってひとりブランコまで移動した。
──ここの公園は、もうすぐなくなるんだ
「ES」とかいう大きいビルが建つから、ずっと前からあったこの公園は５年後には消えてしまう。
５年なんてまだまだ先のことだけれど、それが少し寂しくて、今日は公園によったのかもしれないな、と思った。
ひとりで漕いでいたら、隣に誰かが来てその人も漕ぎ始めた。
横顔を見ただけだったけれど、５年の月日がたってもきれいな顔をしていた、ということだけは覚えている。
同じ年くらいの、男の子だろうか。
──あなたたちも、クッキー食べる？
優しい声で、お姉さんは私たちにも声をかけに来てくれた。
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咲愛(プロフ) - ﾂｷさん» コメントありがとうございます！始まった頃から読んでいただけているとは、大変うれしいです！続きは本日中に公開出来たらと思ってますので、ぜひぜひ今後ともよろしくお願いします！ (2023年2月22日 16時) (
レス) id: 8b89f62398 (このIDを非表示/違反報告)
ﾂｷ(プロフ) - この作品が始まった頃から楽しく読ませて頂いてます！毎日更新が楽しみで素敵な作品に出会えたなと思いました！続き楽しみに待ってます！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 56454ebf31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲愛 | 作成日時：2023年1月27日 12時
